吸い込まれる様な漆黒の髪。

右手には数多の敵を斬り裂いてきた両刃の剣。

彼女の性格の様にそっけない服装。

藍色のリボン。

首に付いた小さな十字架のチョーカー。

佐祐理に貰った、彼女とお揃いの宝物。


彼女の名は――――川澄舞。


『化け物』と呼ばれるSランクせかいの住人。




















剣を片手に化け物を見上げる舞は表情には出ずとも驚いていた。

斬りおとした化け物の左腕が瞬く間に再生されたからだ。

再生力に優れたトロルでも左腕を丸ごと再生するなど出来ないというのに。

化け物――刻印の魔物ミノタウロスは再生された左腕の動きを確かめる為に舞に向かって振り下ろす。

一跳びでその場から大きく離れ、舞は周りを見渡す。


荒れ果てた道路。

崩れた建物。

薙ぎ倒された木々。


大切な街の状景が見る影もない。


舞は刻印の魔物ミノタウロスをキッと睨む。

剣を持つ右手に力が篭もる。


この雪華都で何が起こっているのか分からない。

状況はまったくもって掴めない。


だけど――――


「…………斬る」


――――どんな理由があろうとこんな光景は許す事が出来ない。


舞が動く。

余計な動きをつけず真っ直ぐに。

刻印の魔物ミノタウロスへの最短距離を走る。

彼女の剣が届く距離に入るより先に刻印の魔物ミノタウロスの射程距離に入る。

その巨体と腕の力を最大限に使って右腕と同化した斧を振り下ろす。

ほんの僅かに横へ逸れれば避けられるというのに舞はその行動を拒否する。


これ以上雪華都を破壊するな!


彼女の口が滑らかであればそんな叫びが上がっていただろう。

無口な彼女は言葉ではなく行動でその叫びを体現する。

大地を踏み締め、片手で持つ剣を両手に持ち直し、真上――斧に向かって討ち出す。

ギィィィィン! と鈍く甲高い音が辺りに鳴り響く。

舞の剣は頭のすぐ上に有り、それ以上上がらず、刻印の魔物ミノタウロスの斧もそれ以上振り下ろされず、剣と斧は交差し、動かない。

力が拮抗している。

大人の腰周りの数倍の太さはある刻印の魔物ミノタウロスの右腕と両腕とはいえ女の細腕とが拮抗している。

チリチリと斧の刃と剣の刃が削りあう。

交差が少しだけ、大地へと近づく。

斧が舞へと近づく。


血のこびりついた斧が――――

人間の血がこびりついた――――


舞の中で怒りが膨れ上がる。

刻印の魔物ミノタウロスを睨む双眸は更に険しくなり、両腕にも更なる力が加わる。


拮抗が――――破られた。


自らの武器を振り切ったのは舞。

力任せの剣で斧を弾く。

高く上げられた斧が再度落ちるより先に舞が跳ぶ。


「――――斬る!」


光の線が伸び、接触するのは刻印の魔物ミノタウロスの右の二の腕。

シュン――ッと風を裂くかの様な音が鳴る。

舞が大地に脚をつけたのと同時に刻印の魔物ミノタウロスの右腕が落ちる。

斧の重量で大地に振動が広がる。

だが、右腕を落とされても刻印の魔物ミノタウロスはすぐさま再生を――――


「――――させない!」


舞が剣を振るう。

再生するより早く。

再生されかけた右腕を、左腕を、脚を、胴体を斬り刻む。

だが、斬り刻まれた場所は片っ端に再生され、ダメージを与えている感がない。

それでも刻印の魔物ミノタウロスを斬り刻んでいるのは事実。

刻印の魔物ミノタウロスは再生に手一杯で反撃に移れない。

舞は刻印の魔物ミノタウロスの左腕を斬り飛ばした後、宙へ跳ぶ。

敵の目の前で宙へ跳んだ舞。今、反撃されると避ける術はない。

だが、反撃しようにも刻印の魔物ミノタウロスは左腕も右腕もまだ再生されていない。

敵に攻撃の手段はない。

もし、魔術を遣えたり、再生を放棄してタックルをしてきたりすれば危ういが、それよりも舞の方が速い。


閃光が――――奔る。


刻印の魔物ミノタウロスの首を斬り離し、頭と胴体を二つに分ける。

どんな生物であろうと首を落とされては生きてはいけない。それでも生きて――動いているのは死霊の類だ。

刻印の魔物は異形に身を堕としていても生きている物。生物だ。

普通なら死ぬ。

死ぬ、はずだ。

では、普通ではなかったら。

死なない、のか。

首を切り離されて尚、死なないのか。


刻印の魔物は普通ではない。


普通ではないから――――化け物。





異形の化け物。





刻印の魔物ミノタウロスは斬り離された直後に頭と胴体、両方の断面から血が溢れ、血は骨へと、肉へと変化し、二つを繋げていく。

腕などとは比べようにならないほどの再生の早さ。

舞が首を斬り離し、地面に脚をついた頃にはすでに再生が終わっていた。

舞は振り返り――流石に首を斬り離して生きているのには驚いたが、だからといって動揺が浮かぶわけではない――刻印の魔物ミノタウロスの再生されかけた右腕を斬り飛ばす。

舞が斬り、刻印の魔物ミノタウロスが再生する。

舞が一方的に攻めているのに状況は膠着状態。


斬って斬って斬りまくる。

たまに首を斬ったり、頭自体を斬ったりもしたが、命に関わる傷は即座に再生されてしまうようだ。

厄介すぎる再生能力。

舞の体力が尽きるかが先か、刻印の魔物ミノタウロスの再生能力が尽きるのが先か。根比べ――をするつもりはない。

舞には斬る以外どうすれば良いのか分からないが、舞は一人ではない。

こんな時どうすれば良いのか尋ねられる大切な相棒がいる。

一瞬だけ刻印の魔物ミノタウロスから視線を外し、相棒にして親友――倉田佐祐理へと目を向ける。

舞と佐祐理、目が合ったのは一瞬だったがそれでも佐祐理には舞が何を尋ねたいのかが分かり、佐祐理は右手を振り上げ、笑顔で叫んだ。


「やっちゃえっ。舞」


これは果たしてアドバイスと言えるのか。

それでは今までと事態が変わらず、斬りと再生の膠着状態が続くだけ。

だが、それでも舞は十分だった。

今まで通り、斬って斬って斬りまくる。

刻印の魔物ミノタウロスも再生しまくっている。


それは今までと変わらぬ、斬りと再生の膠着状態。

だが、そんな膠着状態はすぐに途切れる事が舞には分かっていた。










舞が刻印の魔物ミノタウロスと戦っている間に佐祐理は斉藤と崎森を回復魔術によって治療していた。

二人を治療し終えると舞と刻印の魔物ミノタウロスの戦闘に巻き込まれない様にと避難をする。

斉藤は気絶したままだったので何とか意識があった崎森に抱えられ、佐祐理は自分と舞の分の荷物を持って共に移動する。

ある程度の距離を取り、気絶している斉藤を冷やさない様に建物の中に入りたかったが、周りを見渡すと見事に破壊されていた。

建物の中に避難する事を諦め、佐祐理は荷物を入れたバックからビニールシートを取り出す。

雪の上にビニールシートを敷いても冷たさは変わらないだろうと思われるがそこは倉田佐祐理の持ち物、一味違う。

このビニールシート、実は魔道具であり、雪の上であろうと冷たくないどころか温かい。

寒い地域ではおすすめの一品で結構人気の品物。


「崎森さん。この上に斉藤さんを寝せてください。大丈夫。とっても暖かいですから」


人気が無いとはいえ、道のど真ん中にビニールシートを敷いて、その上に座る佐祐理の姿は何処となく奇妙な感じがする。

しかし崎森は佐祐理の言う通りに斉藤を寝せ、自分もシートの上に座る。

崎森は確かに暖かいな。という感想を心の中で思った。

佐祐理は荷物と一緒くたに纏めていた杖をいつでも使用出来る様に自分のすぐ脇に置く。

それからバックの中から今度は水筒を取り出し、紙コップに入れた熱々のお茶を崎森に差し出す。


「どうぞ。粗茶ですが」

「……どうも」


崎森に渡した後、佐祐理は自分の分を注ぐ。斉藤の分は本人が気絶しているのでなかった。


「斉藤は……大丈夫なんですか?」

「大丈夫ですよー。目が覚めたらもう元気いっぱいです」

「……そうですか。ありがとうございました」

「いえいえ。困った時はお互い様ですよ」


そんな会話をしてから、佐祐理は意識を崎森達から舞達へと移した。

それを察してか――元々無口だが――崎森が黙る。

舞達の戦闘は道路のど真ん中に座っているので良く見えた。


戦いは一方的だった。

舞が圧倒的な強さで一方的に攻めていた。

が、異形の化け物は脅威の再生力でそれを凌いでいた。

ピンチというわけではないが相棒としてこのまま傍観しておくわけにもいかない。

佐祐理は思考を回転させ、まず敵の正体を付きとめようとした。


再生力。

赤い魔方陣と魔術式。

赤――――血。

血の魔方陣と魔術式。

血の契約。

刻印。

刻印の魔物。


「なら……あの再生は――――」


刻印の魔物の再生力。

契約の血――埋め込まれた血――血を媒体とした回復魔術。

自動的で強制的な回復魔術。


「――――回復魔術――なら――――これで何とかなりそうですね」


佐祐理は首に付いた小さな十字架のチョーカーに触れる。

舞とお揃いのチョーカー。

舞が一瞬だけ刻印の魔物ミノタウロスから視線を外し、佐祐理へと目を向ける。

佐祐理と舞、目が合ったのは一瞬だったがそれでも佐祐理には舞が何を尋ねたいのかが分かり、佐祐理は右手を振り上げ、笑顔で叫んだ。


「やっちゃえっ。舞」


右手をぶんぶん振り回し、舞の応援をする佐祐理。

舞が戦闘に戻ったのを見送り、口ずさむ。

小さく唄うかのようなリズムを取って、口ずさむ。

その『唄』に合わせて、彼女の首元の銀色のチョーカーが徐々に色を失っていった。










斬れば再生、再生すれば斬る。

まるで同じシーンが何度も流れ、時間が流れていない様に感じる。

だけど、それを否定するかのように辺りには十数の腕が転がっている。

斬り落とせば落とすほど足場が悪くなって、条件としては舞の方が悪くなっていく。

腕に脚を引っ掛けないように注意はしなければならないが血で脚を滑らせないように気をつける必要はないのでその分多少は楽だ。

そんな楽さは勿論気休めだが。

そもそも血が地面に広がっていないのは刻印の魔物ミノタウロスの傷口から大地に血が滴る前に再生しているからだ。

それほどまでに早い再生をされるくらいなら、再生されないで地面が血だらけになった方がよっぽど倒しやすい。


再生。

再生。

再生。


刻印の魔物ミノタウロスはとにかく再生を繰り返す。

それは舞が攻め続けているという証明なのだが、状況はあまり芳しくない。

何となく地道な反復訓練をやっているような錯覚に陥る。

ひたすら同じ行為を繰り返す。

反復。

普通ならあまりに繰り返しすぎて嫌気がさしそうなその行為。

そんな行為が彼女はあまり嫌いじゃない。

嫌いじゃないけど――――終わる。





膠着状態が破られた。





舞が斬り落とした刻印の魔物ミノタウロスの左腕。

傷口から血が大量に溢れ、大地を汚していく。

ドクドクと、溢れていく。

血が溢れていく。

骨へと、肉へと変化する事なく溢れていく。


再生が――――されない。


刻印の魔物ミノタウロスに動揺が奔る。

再生されない理由が分からないから。

その動揺は舞への注意を忘れてしまう。

思い出した時にはもう遅い。

ゴトリ、と鈍い音をたて、刻印の魔物ミノタウロスの頭が地面へと転がる。

追うように首無しとなった胴体がゆっくりと倒れた。


舞は倒れる刻印の魔物ミノタウロスを横目に首元のチョーカーに手をやり、軽く撫でる。

銀から透明へと変化していた十字架が再び銀へと色を付けていた。










「お疲れさま。舞」

「ありがとう。佐祐理」


笑顔の佐祐理と仏頂面の舞。

ずいぶん対象的な二人だ。


「お茶は?」

「飲む」


……気は合っているようだが。


ビニールシートに座って佐祐理から受け取ったお茶をコクコク飲む舞。

先程まで動き回っていたのに息一つ切れていない。

その舞がお茶を飲んで一息ついた後に目を付けたのは未だ眠っている斉藤だった。

クイクイッと髪の毛を引っ張ったり、ペチペチと頬を叩いたりして反応を窺う。

斉藤は舞に何かされるたびに顔をしかめるだけで起きようとしない。

ふと『寝耳に水』という諺を思いだした所で崎森から腕を掴まれる。


「…………何?」

「流石にそれはまずい……です」


何が? と舞は首を傾げようと思ったが捕まれた右手の紙コップがいつの間にか斉藤の耳の真上にあり、納得した。

諺を思い出した途端、無意識に実践しようとしていたらしい。

何気に危険な娘だ。

そんな舞をただ笑って見守るだけの佐祐理も実は結構危険なお人だったりする。


意外と危険な場所で寝続けていた斉藤がようやく目を覚ます。

彼は寝起き特有のぼんやりと靄のかかった視界に舞と崎森が手を繋いでいる光景(寝起きなので若干語弊有り)を映す。

斉藤はまず無口な者同士仲良くなったんだなぁ。とよく分からない感想を浮かべ、それが次に何で手ぇ繋いでんの!? となり、驚きでビクンと痙攣のように震えた。

その際、右手が舞にぶつかり、その振動で舞の持つ紙コップの中のお茶が大量にこぼれる。

そのお茶は真っ直ぐ真下に。そして、お茶が入っていた紙コップは斉藤の頭の真上にあった。

すなわち、熱々のお茶は晴れて斉藤の顔面へ注がれた。


「〜〜〜〜ぁ!??!★×△?○!!」


奇妙な叫びを上げ、斉藤は崎森を押し退けて雪の上を転がる。

そんな斉藤を見て舞がぽつりと一言。


「…………よかった。元気」


いや、謝れよ。










「ごめんなさい」


舞が斉藤に深々と頭を下げる。

謝罪を誰かに促された訳ではないが斉藤のあまりの騒ぎっぷりに悪い事をしたと思ったのだろう。


「い、いや……えっと、その、べつに…………」


斉藤からすれば舞は上級生でハンターとしても格上――と言うか雲の上の存在で、それより何より命の恩人である。

こんな風に頭を下げられるとどう反応すれば良いのか分からない。

陽気に「いやぁ気にしてませんよ! 先輩こそヤケドしなくてよかったですね!」と言うべきか、それとも下卑た笑みを浮かべて「げへへ。お詫びに○○○○でもさせてくださいや」とでも言うべきだろうか。いや、少なくとも後者だけは止めた方が身の為だ。


「……あー……えー……うん…………」


くるり。と首を回して斉藤は後ろにいる佐祐理に助けを求める。

斉藤の顔の火傷とも言えない火傷を佐祐理が治した直後に舞が謝ってきたので彼女はまだそこに待機していた。

火傷を治療していた時から浮かべていた笑顔と代わりなく、にこにこしていた。

ずっと笑顔の彼女だがこの状況だけを見ると斉藤のうろたえっぷりとそれに伴う軽く泣きの入った表情が面白くて仕方がない様に見える。

うん。それも正解だ。

楽しんでいる先輩は頼りに出来ないので自らのチームのリーダー兼親友に視線を移す。


「………………」


視線を逸らされた。


うっ、裏切り者!!


斉藤は心の中で叫び、心の中でマジ泣きした。

心で泣いて顔でもちょっと泣く。

表裏一体。嘘偽りのない男。その名は斉藤宏昌。

そんな常套文句を考えても事態は何も変わらない。

と言うかただの現実逃避。

目の前の現実を改めて見ると未だに頭を下げたままの舞。

座ったまま頭を下げているので彼女の長い髪は地面に落ちている。

ビニールシートの上なので汚れるという事はないのだが……。

急激に「こちらこそすいませんでしたぁ!!」と土下座したくなる。

後一秒遅ければ実行に移そうとした所で佐祐理が助け舟を出す。


「斉藤さん。一言『許す』って言えばいいんですよ」

「い、いや……許すっつっても…………」


そもそも怒っていない。というのが斉藤の本音だ。

お茶も熱いといっても煮え滾った熱湯という訳でもなかったし、ほとんど状況に驚いただけなのでむしろこちらが申し訳ないといった感じなのだ。


「そうしなきゃ……終わりませんよ?」

「う……」


上級生を、雲の上の存在を、恩人を、『許す』という上からの立場の様な事を言うのは多少……いや、かなり抵抗があるが……仕方ない……よな? と斉藤は考え、恐る恐る言ってみる。


「えっと…………あの…………その……………………ね?」


言えてない。

『ね?』ってなんだ。『ね?』って。


「……………………ゆ……」

「ゆ?」


佐祐理が楽しそうに反芻する。


「……ゆ、ゆるっ……ゆる…………!」

「ゆる?」

「お願いです! 許してください!!」


許すどころか許しをこう斉藤だった。

ヘタレ斉藤此処に在り。


突然の土下座に舞は思わず頭を上げ、キョトンと首を傾げる。

何故自分が謝られているのだろう。と考えてみるがわからない。

けど謝られたからには許さなければならないのだろう。

だけど何を許せば良いのかわからない。

傾げる首の角度が更に大きくなる。


「二人とも謝ったのでお互い様というのはどうでしょうか?」


まるで名案だと言わんばかりの笑顔で話す佐祐理。

反応がないので聞こえなかったのかな? といった表情でまずは斉藤に聞き直す。


「どうでしょうか? 斉藤さん」

「は、はぁ……」


斉藤の返事と言うよりはむしろ溜息にしか聞こえないものに満足して佐祐理は次に舞へ。


「どうかな? 舞」

「…………佐祐理がそう言うなら、いい」


うんうんと佐祐理は頷いて、


「これで解決です」


と言った。

二人がどうお互い様だったのかは謎だった。


「あの」


話が一区切りした所で崎森が声をあげる。


「いつまでもここにいるのは危険なので……移動しませんか?」

「はぇ、そうなんですか?」


佐祐理がキョトンとした表情で辺りを見渡して、


「そういえば街全体がなんだか騒がしいみたいですし……」


そして結論が出たのか頭を元の位置に戻す。


「わかりましたっ。お祭りをやってるんですね?」

「………………」

「………………」


崎森沈黙。

斉藤突っ込むかどうか思案中。


「…………説明しますので、とにかく一旦、ここを離れましょう」


崎森のこの言葉によって移動しながらの街の状況説明となった。

説明したのは斉藤で、しかも彼ら自身まったくと言っていいほど状況を掴めていないので、ただ魔物の集団に襲撃されているという程度の説明だったが。


「はぇ〜。大変な事になってるんですね〜」

「あちこちで魔物がうろついてるんですけど……気付いてなかったんすか?」

「佐祐理たち、ついさっき帰ってきたばかりなんですよー」


帰ってこさせられた。が正しいかもしれませんけど。と佐祐理は続ける。


「……はぁ、そうなんですか。あの……ちょっと質問いいですか?」

「はい。佐祐理にわかることならなんでも」

「えっと……さっきの、あの……化け物…………なんなんですか?」

「何って、刻印の魔物ですよ?」

「こっ、刻印の…………!?」

「………………!!」


そら勝てねぇよ。あぁ無理だな。助けて貰えて良かったな。全くだ。


崎森と斉藤がボソボソと情けない会話をする。

崎森がふとある事を思い出す。


「そういえば……倉田先輩」

「なんですか?」

「……刻印の魔物と川澄先輩が戦っている時……刻印の魔物の再生能力が途切れたのは、あなたの仕業ですよね?」

「あはは〜。バレちゃいましたか」

「…………何をしたんですか?」

「そうですね〜」


佐祐理は少し上を向いて考えて、良い言葉が思い付いたのかにっこり微笑む。


「あれは佐祐理の超必殺技です」

「………………」

「…………超……」


必殺技ならぬ超必殺技。

かなり子供っぽい表現だ。

二人は脱力してその超必殺技の内容を聞く気が起きなかった。


「あはは〜。それよりお二人は――――はぅ」


先頭を歩く舞が突然止まって、佐祐理は舞にぶつかってしまった。


「どうしたの? 舞」

「…………倒れてる」


舞が指を指す方向を見てみると確かに倒れている。人で、しかも二人もだ。

近づいてみると二人ともまだ若い女の子だった。


一人は赤髪でクセ毛のあるショートカットの少女。

一人は金髪の長髪をツインテールにしている少女。


その両方の少女は全身が雪と泥にまみれ、血も所々に付着し、服のあちこちがボロボロになっていた。

赤毛の少女より金髪の少女の方が汚れが少ないようにみえる。

倒れていながらも赤毛の少女は金髪の少女を護るかの様に抱きしめていて、もしかしたら倒れる前も身を挺して護っていたのかもしれない。とそう思えた。

佐祐理が近づき、そんな二人の様子を確かめる。


「ん〜、擦り傷は多いですけど大きな怪我はないですねー。多分、衰弱して倒れたんだと思います」

「そうなんですか……よかった……」


男連中がホッと息をつく。

街がこんな状況とはいえ死体を――しかもこんな少女の――見るのは嫌すぎる。


「とにかく回復魔術をかけちゃいましょう」


佐祐理がそう言い、杖を高々と上げ、呪文を詠唱する。

詠唱が終わり、杖を少女達に掲げ、術を発動させる。


「≪痛いの痛いのとんでけ〜≫」

「………………」

「………………」


何度目になるだろう。佐祐理の言葉に沈黙する崎森と斉藤。


「…………………………斉藤」

「………………なんだ?」
「俺はあまり魔術に詳しくないが……大丈夫なのか、あれ(、、)

「……えっと、まぁ……魔術式がしっかりと構成されてれば発動するはず…………だけど」


普通言わないよなぁ……。と斉藤が呟く。

「…………あれ(、、)で魔術式が構成されてるのか?」

「………………多分。倉田先輩だし、大丈夫だと思う……」


そんな二人の心配を余所に二人の少女の怪我は見る間に消えて無くなった。

やがて、少女の片割れが目を覚ます。

赤髪でクセ毛のあるショートカットの少女。

ゆっくりと目を開いて、また閉じ、また開く。

瞬きを数度繰り返し、半覚醒のまま腕の中の少女をぎゅっと抱きしめる。


「……大丈夫、ですか?」


佐祐理が静かに声をかける。

その声でようやく意識が完全に覚醒し、周りに人がいる事に気付いたのか赤毛の少女はまずは上半身だけ起こし、辺りを見渡す。

起き上がる際には金髪の少女をやはり抱きしめたままだったので、金髪の少女も上半身が起きる事となった。


「大丈夫ですか?」


佐祐理が再度尋ねる。

赤毛の少女が今度は答えた。


「……あ、はい。大丈夫……です」

「そうですか。それはよかったです」


佐祐理がにっこりと人好きする笑顔を浮かべる。

赤毛の少女ははっと気付き、慌てて腕の中の少女に目を向け、身体を揺さぶる。


「真琴! 大丈夫ですか!? 真琴っ!?」


佐祐理が大丈夫ですよ。怪我はもう治しましたよ。と声をかけるよりも早く金髪の少女――真琴が目を覚ました。

真琴は赤毛の少女の顔を数秒眺めたかと思うと突然がばっと起き上がる。


「美汐に近づくなっ!!」


肩膝を付いて両手を広げ、赤毛の少女――美汐を背に護る格好で、周りを――佐祐理達を睨み、唸りをあげる。

がるるるっとまるで獣の様に威嚇する真琴。

近づくと殴るより、蹴るより、噛み付きそうな少女の迫力に佐祐理は驚いて、そして少し可笑しく感じられた。


美汐は半覚醒のまま、真琴を愛しく抱きしめ、

真琴は覚醒した途端、美汐を庇い護ろうとする。


自分の怪我よりも相手の怪我を、今の状況よりも相手の状態を、相手に事を如何に大事に思っているかが伝わってくる。

伝わってくるのは良いのだけれど、このまま睨まれ続けるわけにもいかない。

敵じゃないですよ。襲ったりしませんよ。と佐祐理が言ったところで真琴が信じてくれるとは思えない。

どうしたものかと思考していると美汐が真琴を後ろから抱きしめた。


「真琴。大丈夫です。この人達は敵じゃありませんから……」


優しく抱きしめ、美汐はそう言った。

また一言、二言、真琴の耳元で囁く。

彼女だけにしか聞こえないほどの小さなその声で真琴は唸りを止め、睨みを止め――――美汐の後ろに隠れた。

目を覚ましたかと思えば、周りを威嚇し、それを止めると他人の後ろに隠れる。

その行動に周りの四人は呆気に取られる。


「……すいません。真琴は、この子は人見知りが激しくて…………」

「けど、美汐さんのピンチにはナイト様になるみたいですね」


申し訳なさそうな美汐だったが佐祐理のユニークな返しに表情を和らげる。


「……そうですね。ふふっ、ナイト様ですね」


和らげた表情が口の端が上がる程度であったが笑顔に変わり――――そして、凍りついた。





――――ウゥゥゥ。グゥゥゥ――――





唸り声が響く。

真琴のように獣の様な、ではなく獣そのものの唸り声。

シャリッシャリッと何かが近づいてくる足音。

その足音は二人が倒れていた場所のすぐ横に伸びている路地裏の奥からだった。

美汐は後ろに隠れていた真琴を抱きしめていた。

力強く抱きしめて、震えていた。
がたがた(、、、、)と、ぶるぶる(、、、、)と、震えていた。

路地裏から出てくる何者から護る為、佐祐理は美汐と真琴の傍による。

そんな佐祐理の腕を美汐はぎゅぅっと縋るように掴む。

これでは佐祐理は身動きが取れない。

振りほどこうとすれば出来る。

けどそれは、この力強くも儚い手を拒絶する事になる。

振りほどく側がそう思っていなくても振りほどかれる側がそう思ってしまうかもしれない。

それは出来ない。思わせてはいけない。

縋ってきた手を、頼ってきた心を、見捨てたと思わせてはいけない。

佐祐理は縋られた右腕をそのままにし、左手で持った杖を路地裏に向ける。

いつでも魔術を放てる為というよりも、ただの見せ掛けであったが。


「……舞。お願い」


佐祐理に言われるまでもなく舞はすでに剣を抜き放ち、路地裏の奥を睨みつけている。

いつでも戦闘に入れる準備を済ませている。





――――グルゥゥゥッ。ゥゥゥゥッ――――





そして、獣が唸りをあげ、現れた。


真っ黒な体毛。

真っ赤に燃える目。

狼に似た、狼よりもずっと大きい魔物。


ヘルハウンド。


ヘルハウンドが四匹、現れた。

唸りをあげるその口からはポタポタと血が垂れている。

ヘルハウンド自身のものではない血がポタポタとポタポタと口の中から漏れている。


それを見て美汐が更に震え、悲鳴が小さく漏れる。

美汐の悲鳴が合図だったかのように舞が動く。

手にした剣を閃光のように振るう。





勝負はあっという間だった。





誰かが一度瞬きをした時、一匹が斬り倒されて、もう一度瞬きをすれば更に一匹、更に一度すれば、残りの二匹が倒されていた。

本当にあっという間だった。一瞬と言っても良い。

ほんの一瞬だったが、その速さに、その強さに、その圧倒的さに、美汐は震えるのも忘れ、見惚れていた。


「…………凄い」


美汐は知らず知らずの内にその言葉が口から漏れた。


「でしょ? 舞は凄いんです」


佐祐理の得意気な表情と口調。

まるで自分の事のように。


「ホント、すげぇよな」

「……あぁ」

「流石は川澄先輩って感じだよな」


斉藤と崎森の会話に美汐が反応する。


「『舞』……? 『川澄』先輩……? 『川澄舞』……?」


美汐は舞とヘルハウンドとの戦闘を見た時よりも更に驚愕した。

「もしかして――――あの(、、)川澄舞ですか!?」


その叫びに答えたのは本人ではなくその相棒の佐祐理だった。


「はい。その川澄舞ですよ」


にっこり微笑みながら答えた。

やはり得意気な表情と口調だった。


美汐はしばらく驚愕の表情で固まっていたがやがて俯いた。

俯き、またしばらく固まる。

どうしたのだろう。と周りの皆が首を傾げる。

そして、美汐はばっと顔を上げ、舞を見つめる。

じっと睨みつけるかのような眼つきで。

決死の覚悟をしたかのような表情で。

舞を見つめ、言った。


「お願いです。助けて下さいっ」


美汐の突然の懇願に舞は頷く。

内容をまだ聞いていないのに了承する。

それは佐祐理が美汐の手を振りほどかなかった時と同じ理由。


彼女を拒絶する訳にはいかない。

縋ってきた言葉を、頼ってきた心を、見捨てたと思わせてはいけない。


「ありがとうございますっっ!」


美汐が何度もお礼を言う。

何度もお礼を言って、立ち上がる。

緊急を要するので移動しながら説明すると美汐が言って。

彼女達はこの場から立ち去った。










もしも。

もしも彼女達が路地裏に脚を踏み入れていたら。

ヘルハウンドが現れた路地裏の奥を覗きこんでいたら。

この後の展開を予想出来ていたかもしれない。

少なくとも警戒はしただろう。

だけど、彼女達は脚を踏み入れず。

路地裏の先の光景を見る事はなかった。










移動しながら事の経緯を美汐が説明する――前に自己紹介を各々した。

美汐は――赤毛の少女は、天野美汐と名乗った。

落ち着いた口調と物腰で助けてもらった御礼の言葉を重ねて。

真琴は――金髪の少女は、沢渡真琴と名乗った。

相変わらず美汐の後ろに隠れたまま、ギリギリ聞き取れる程度の小さな声で。

そして、本題に入る。

ここからすぐ近くの小さな広場。

そこで事件が起きた。異常が起きた。

今、この街で起きている事態がそこでも起きた。

化け物が、異形の化け物が突然現れて、人々を襲った。

そこにいた美汐と真琴。そして、彼女達のそれぞれの両親もそこにいた。

彼女達の両親は僅かながら武術の心得があり、化け物に立ち向かった。

広場にいる人々を守る為に、何より自分達の娘を守る為に。

両親が化け物に立ち向かって――その後、どうなったかは分からない。と美汐は言った。

逃げた、から。両親が逃がしてくれて、真琴を引っ張って逃げて、その後も何度も魔物が現れて、それでも逃げて。

その内、逃げまとう人々の波からも逸れて、それでも美汐は真琴を引っ張り、逃げて。

この異常な事態から逃げて。

それでも逃げ切れなくて。


やがて――――倒れた。


その後は佐祐理達に助けられて、今こうやって説明をしている。


「つまり、お二人のご両親を助けてほしい。という事ですね」


佐祐理が結論をそう纏めた。

頷く美汐を見て、佐祐理は思う。


助けてあげたい。

助けてあげたい――――けど。

けど――――。


続く言葉を考え、言って良いのか悩む。

広場に付く前に言って、覚悟とまではいかなくても心構えはさせておくべきではないのだろうか。

悩んだ末、伝える決意をする。

せめて柔らかいニュアンスになるようにと言葉を選ぶ。

もう広場まで五分とかからない。早く伝えなければ。と佐祐理は焦る。

ゆっくりとした歩調でなければ悩む隙も無く辿り着いていただろう。

そう考えたところで気付く。

どうして『ゆっくりとした歩調』なのだろう。と

魔物と戦っている両親を助けてほしいのなら『ゆっくりとした歩調』のはずがない。

むしろ全力で走って広場に行くべきだ。


「わかって、います」


美汐が独り言のように言った。

佐祐理の思考を読んだかの様なタイミングで。


「本当は分かっているんですよ。倉田さん」


さっきより大きな声で美汐が言った。

まるで宣言するかの様に。





「私達の両親は、きっと、もう、死んでいます」





その言葉に周りが、言った本人すら、凍りついた。

表情を凍りつけさせつつも美汐は言葉を続ける。


「助けてほしい。と言ったのは本心です。生きていれば助けてほしいです。
 けど、けどっ。あんなもの相手に生きているとは思えませんっ」


泣いている様だと佐祐理は思った。

涙を流さず泣いている。


「だからっだからっ、本当は――――私が本当にしてほしいのは――――」


涙の代わりに絞り出した声。





「――――仇を討ってほしいんです」





美汐の脚がいつの間にか止まっていた。

脚を止め、立ち尽くし、怒りか悲しみか、身体を震わせていた。


「…………行こう」


舞が美汐の肩に優しく手を置く。

そして、彼女自身が動くのを待つ。


「はい」


やがて、美汐が返事をし、自分の力で動いた。

ゆっくりと踏み締めるように歩く。


「……その角を右に曲がった先、です」


美汐の言う通り右に曲がると、広場だったモノがあった。

広場の周りに植えられた木々は倒れ、遊具の類も破壊されていた。


そして、美汐が言った異形の化け物が――――いなかった。


それどころか化け物と戦った彼女達の両親も、その他の襲われた人達の死体もなかった。

死体ではなく実は生きていた、という訳でもなく影も形も無かった。


「……誰も、いませんね?」


佐祐理が呟きながら辺りをキョロキョロ見渡す。

他の皆も同じ様に辺りを見渡していると、舞が率先して広場の中へ脚を踏み入れ――――


ドォッッンッ!!


――――爆発音がした。


皆が一斉にその音の方向を見る。





同時にナイフの凶刃が舞を背後から襲う。





「――――舞!?」


目の前の光景が信じられず、思わず叫ぶ佐祐理。

その佐祐理にも鋭く尖った爪が心の臓を狙ってくる。

佐祐理はとっさに杖で庇って防ぐが、完全には防げなかった。


「あーっ、なんでとめるのよぅ!」

「胸ではなく頭を狙うべきでしたね。それなら杖も間に合わなかったでしょう」

「あぅ。そっかぁ」

「それにしても川澄さんは流石ですね。完全に不意を付いたというのに避けられてしまうとは」


舞は首筋を押さえてナイフを手にした彼女を見る。

首筋を押さえている指の間から血が零れる。

舞はナイフで襲われた時、咄嗟に身体を捻り、横へ跳んだおかげで首皮一枚斬られただけですんだ。

爆発音に意識が向いていたというのに、

避けれたのは本能的な危機察知か。

それとも偶然気付いたのか。

初めから疑っていたという線は無い。

その証拠に舞は驚愕の表情を浮かべ、二人を見る。


恐怖に震えていた少女。

人の後ろに隠れる臆病な少女。


その姿は仮初めだと言わんばかりに堂々としている。


手にしたナイフ。

獣の様に鋭い爪。

二人が交わす会話。


状況が把握出来ない。

思考が付いて来ない。


「どうして……?」


止まらぬ血を押さえながら舞が問う。


「どうして? 可笑しな事を言いますね」


血の滴るナイフを右手に天野美汐は無表情で言い放つ。


「そんなもの、私達があなた方の敵だからに決まっているでしょう」
























魔術・技解説

『痛いの痛いのとんでけ』……下位の回復魔術。小さな擦り傷や火傷を治す事ができ、痛みも引く。
                 あまり大きな怪我だと痛みを和らげる程度で治療効果は薄い。
                 祐一の『癒歌』と魔術発動の言葉が違うだけで同等の回復魔術。
                 魔術発動の言葉は魔術式の構成との繋がりを設定していればどんな言葉でも良い。

『魔術式』………………………魔術を発動させる為に絶対必要なもの。
                 魔術は魔術式によって術の内容(炎や水など)を構成し、それに魔力を注ぎ込む事で
                 発動させる。

                 魔術式の構成方法には『呪文』と『文字』の二種類がある。

                 『呪文』はそれを唱えるだけで魔術式の構成が出来る為、呪文の意味を知らないでも魔術を使える。
                 逆に言えば呪文の内容の意味を知っていれば、一部を変更し、魔術に変化をつける事が出来る。
                 (例えば真っ直ぐ進むだけの火炎球が途中で分裂するなど)
                 また、呪文の必要最低限の部分だけを取り出し、詠唱を短くする事も可能。
                 その最たる技術が魔術発動の言葉に呪文の単語、数文字を混ぜ合わせ、魔術発動の言葉と呪文が
                 一体となった無詠唱魔術(ただし威力は落ちる)。

                 『文字』での魔術式の構成はその通り文字を書く。
                 言ってみれば『呪文』を書き上げていくようなもの。
                 紙面に文字を書く必要はなく、空中に指で必要な文字の羅列を書き上げていく。
                 (実際に紙面に書き表しても良いし、地面やその他の場所に書いても良い。
                 書くものも指ではなくその他のなんでも良い)
                 文字での魔術式の構成を使えば、呪文を使わずに済むので魔術発動まで相手に気付かれない
                 という利点がある。(見る人が見れば『文字』での魔術式構成もバレてしまうが)
                 当然ながら『文字』を使えば無詠唱魔術になる。

                 『呪文』と『文字』を同時に使用し、それぞれの魔術式を組み合わせる事によって、
                  呪文詠唱短縮や魔術の威力増加が可能となる。






〜あとがき〜

魔術式の説明長いな!? けど読んでくれると嬉しいな!

お久しぶりすぎです。海月です。

ここ数ヶ月間SSからすっかり離れまくってこんなに遅くなりました……。
待っていた方、申し訳ありません……。

気持ちを切り替え、天野美汐&沢渡真琴、登場!!

さて、みっしー&まこぴー登場でようやくっようやくっっKANONキャラ出揃いました!!
今、二十二話目……。か、かかりすぎですね……。

その美汐と真琴。敵です。敵キャラですっ。
今回のラストを読んで「え? なにこれ? どゆこと?」と思った方は次回をお待ちください。
説明っぽいのが入ってるはずです。

舞&佐祐理さんの二人はクールにカッコよく決めてもらおうかと思ったりもしてたんですが何故かボケボケに。
ボケキャラばっかだな……このSS……。

まぁとにかく、次回は『天野美汐&沢渡真琴VS川澄舞&倉田佐祐理』!!

勝つのは果たしてどっちだ!?

そして斉藤&崎森に活躍の場はあるのか!?

それでは次回にて。


海月さんから待望の二十二話をいただきました。

いやぁ、刻印の魔獣って反則くさいですね〜

舞たちじゃなかったらどうなっていたことか。

そしてまこぴーみっしーコンビが登場って、敵ですね。

このまま敵でい続けるのか後々仲間になるのか、まずは戦闘ですね。

普通に考えると舞たちが圧勝しそうな感じですけど……

続きが気になりますね。

 

感想などは作者さんの元気の源です。続きが早く読みたい人は掲示板へ!

 

第二十一話  

 

戻る

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送