これはきっと神さまのオシオキなんだ。
小さな少女は泣きながらそう思った。
みんなとよくいく公園で今日はふたりのお兄ちゃんたちが走りまわっていた。
おいかけられてる変なかみのお兄ちゃん。
おいかけてる『まじゅつ』をつかっているお兄ちゃん。
すごくあぶないと思った。
ちょっとじゃまだと思った。
そのふたりのお兄ちゃんがまちを守ってる兵士さんに怒られてるのをみて、
いい気味だ。
って思った。
そんなひどいことを思った。
だから、悪いのはわたしなんだ。
よくママが言ってた。
『人を悪く言ったり思ったりしちゃダメだ』って。
『そんな事を思う悪い子は神様にオシオキされるのよ』って。
小さな少女は目の前の存在を見てそう思った。
すごく大きくてこわい。
体がぜんぶまっくろでこわい。
気持ち悪いうめき声がこわい。
わたしを見る目がこわい。
だんだん近づいてきてこわい。
これがパパが言ってた『まもの』なんだ。
『魔物がいるから街の外に出たらダメだぞ』って言ってた。
『街の中にいれば安全だ』って言ってた。
わたしはいま街の中にいる。
パパが『安全だ』って言ってた街の中に。
でも、わたしが悪い子だから。
神さまがオシオキするために『まもの』を呼んだんだ。
小さな少女は目の前の魔物を泣きながら見てそう思った。
みんなは『まもの』を見てにげちゃった。
わたしもにげようと思ったのに走ったらつまずいて。
つまずいちゃったらこわくて動けなくなって。
こわくてわたしはわんわん泣いた。
魔物は右手を大きく振り上げて――――
ごめんなさい、ママ。
ごめんなさい、パパ。
ごめんなさい、お兄ちゃん。
ごめんなさい、お兄ちゃん。
ごめんなさい、神さま。
わたしは悪い子だけど許してください。
もう悪口なんか言いません。
ぜったい人を悪く思ったりしません。
ママの言うこともパパの言うこともきちんとききます。
だから許してください!
神さま、許してください!!
――――小さな少女に向かって振り下ろした。
間に合わない。
あたしはそれを悟った。
小さな女の子に向かい、右手を大きく振りあげた魔物――トロルとの距離はざっと見ても五十メートルはある。
女の子を助けようと皆、全力で走っているけど…………とても間に合う距離じゃない。
北川君を先頭に相沢君・あたしこと美坂香里・名雪・あゆちゃん・栞と云う順番で走っていて、この中で最速の北川君でも……辿り着くのはトロルの腕が振り下ろされた後。
女の子の十にも満たないであろうあの小さな身体ではトロルの一撃でおそらく…………おそらく即死だ。
この脚はどうしてもっと迅く動かないのか。悔しくて歯軋りが鳴るくらい口を噛み締める。
それ以上に憎らしいのが悔しさよりも先に冷静な思考が働いている所よ。
もう間に合わない――――と。
それでいて走っているのはそれを認めたくないから――――なんかじゃない。
腹立たしいほどあたしらしい冷静な思考なんかじゃない。
トロルの一撃を食らって尚、生きているかもしれないという――――楽観的予想。希望的観測。
普段は馬鹿だと思うあたしらしくない感情的な思考だ。
それでも構わない。
助かってほしい。諦めたくない。
だけど、あたしの前を走る相沢君は違う考えを持っていたようで。
駆ける足を――――緩めた。
なにやってるの全力で走りなさい諦めないで。
そう叫ぼうとして、やめた。
喉よりも今は脚に力を込めるべきだから。文句は後でだって言える。
だけど、彼に追いついて横に並んだ時、それは勘違いだと分かった。
「――――吹き飛べ。≪風華≫」
相沢君の右手から風がトロルに向かって一直線に駆け抜ける。
その突風――――いえ、爆風と呼んだ方が正しいかしら。
だって前を走る北川君が≪風華≫のその余波だけでバランスを崩すほどだから。
≪風華≫はトロルの右腕が振り下ろされる前に辿り着き、トロルと女の子が上空に舞い上がった。
おそらくトロルを狙ったんじゃなくて、トロルが立っている地面を狙ったんだと思う。
トロルを直接狙ってしまうと女の子も一緒に吹き飛ばして、更に先にある木々のいずれかに叩きつけられていたはずだから。
相沢君はニッと不敵に笑い、叫ぶ。
「北川ー! 子供の方を頼む!」
「りょーかいっ」
いつの間に体勢を立て直したのか、最後尾までいっていたと思われる北川君が皆を追い抜いて女の子の元へ駆ける。
女の子の体重が軽いからもあるのだろう、けっこう高々と舞い上がっていてこれなら十分に間に合う。
頼んだわよ。北川君。
少しばかり早いけど胸を撫で下ろしていたら、いつの間にか相沢君までいない。
捜すまでもなく、相沢君を見つける。
彼はトロルに向かっていた。
宙に浮いたトロルが地面に到達してから二秒後、バランスを崩しているトロルの懐に相沢君が潜り込む。
「――――駆け抜け。≪雷放≫」
威力は勿論違うんだろうけど多分、北川君と『追いかけっこ』をしていた時と同じ魔術だと思う。
相沢君の右手に宿った雷がトロルの体内を駆け抜け、それが体内だけに治まらず時折身体の外に漏れている。
トロルの特筆すべきは再生能力に有り。と説明すべきなんだけど、そんなものは無視しているかのように相沢君は一撃で倒してしまった。
ようやく追いついて、すぐそばまで近づくと僅かに焦げた嫌な臭いが鼻につく。
「すごいよ〜。祐一」
あたしの横にやって来た名雪が素直に感心している。
確かに凄い。
凄いけど……。
「…………滅茶苦茶だわ」
風の魔術は視界に映らないので頭の中のイメージのみで構成する為コントロールが難しい。
それを地面に叩きつけて相手を上空に上げるなんて余程ピンポイントを狙わないといけない。
叩きつける場所が手前だったら無駄なだけですんだけど、奥だと女の子共々上ではなく水平に吹き飛ばしていたはずだわ。
人間一人、巨人のトロル一体浮かび上がらせるほどの威力よ。
水平に吹き飛ばして木に叩きつけでもしたら、トロルはともかく女の子の方は…………死んでいたはず。
トロルではなく相沢君が……殺す事になっていたのかもしれない。
賭けだったのかそれとも自信があったのか……。
「助かったんだからいいじゃねぇか。香里」
「……そうね。良かったわ」
結果論で話すのは好きじゃないけれど、女の子が怪我なく助かったのは事実。
今はその事を素直に喜ぶとしましょう。
そう思ってあたしは女の子の方を見る。
北川君に抱き抱えられた女の子は小さく震えながら泣いていた。
怖かったのね……。
殺されかけたんだから……当然よね。ましてこんな小さな子なんだから……。
でも、もう大丈夫よ。
そんな事を思っていると、あゆちゃんと栞がようやくやってくる。
息を切らしながらも女の子が無事なのを見て二人も表情を綻ばせる。
北川君を久しぶりに褒めてあげようと彼に視線を向けると何故か助けた女の子を見て困ったような焦ったような表情をしていた。
「…………なぁ。オレ、なんかこの子にメチャクチャ謝られてるんだけど……」
謝られ……?
何かあったのかしら?
「あー、よく分からんが許してやったらどうだ?」
「お、おぅ……」
相沢君の適当な答えに頷いて、許すーとか逆にオレが悪かったーとか言うけれど効果はなかったようで女の子はずっと泣いて謝ったままだった。
……北川君、一体何をしたの?
半泣きになっている北川君の縋るような視線が辺りを彷徨い、それを受け止めたのは名雪だった。
「北川君。ちょっといいかな?」
「水瀬ー……助けてくれー……」
名雪が北川君から女の子を受け取って優しく抱きかかえる。
名雪は女の子を地面に降ろし、顔を覗きこんでから――――
「もう大丈夫」
――――優しくて、暖かい。
「怖いものはもう何もないから。あなたを怒る人は誰もいないから」
――――穏やかで、心地良い。
「あなたは何も悪くないから」
――――安心出来る微笑みを浮かべて。
「だからもう大丈夫」
――――求める言葉を心に届けてくれる。
「…………うん」
女の子が小さく、だけど確かに頷いた。
これが名雪の凄い所。
名雪の笑顔には何か……あの娘の持つ穏やかな空気を分け与える力のようなものがある。
理由も根拠もないのになんとなく安心出来る。
不思議と心が休まる。
なんとも微笑ましい光景に自然と頬が緩む。
あたしも助けられてるのよね、これに。
なんて思っていると不意に袖を引っ張られた。
振り向くと小さな男の子が二人と女の子が一人いて、年の頃から助けた女の子の友達だ。とすぐに分かった。
「……おねーちゃん。しぃちゃん……だいじょうぶなの?」
泣きそうな、もう泣いているような震えた声でこの子達の心配している気持ちががすごく伝わってきた。
だからあたしは名雪みたいには出来ないけど、せめて笑顔で精一杯優しく応えてあげた。
「うん。もう大丈夫。何処にも怪我がなくて元気よ」
迎えに行ってあげて。と女の子――しぃちゃんの方に視線を向けて、そっと小さな背中を押す。
うん! と元気よく応えて三人は突進するようにしぃちゃんの元に向かった。
名雪としぃちゃんはビックリした後、とても嬉しそうに笑い合う。
なんて幸せな状景。
「んふふふ。お姉ちゃんってば、小さい子には優しいね」
栞が後ろからやって来てからかいの意味を込めた笑みと台詞を送ってくる。
そんな風に言われたら是非お返ししないとね。
「だから栞にも優しいでしょ?」
「そ、それは私が小さいと言いたいんですか!?」
「さぁ、どうかしら」
クスクス笑うあたしを見て、ますます怒る栞。
ごめんごめん。と謝って頭を撫でて上げたら余計怒られた。
ふふっ。やっぱり可愛いわね、栞は。
「おにーちゃん、おねーちゃん。ありがとう!」
三人としぃちゃんで合計四人が声を合わせて元気よく嬉しそうに御礼を言って、広場から走り去っていった。
走り去る時、何度も振り返って手をぶんぶんと振る姿はなんとも愛らしい。
あたしも栞も名雪も北川君も相沢君もその姿を笑顔で見送る。
…………?
ここで違和感。
あたしも、栞も、名雪も、北川君も、相沢君も……?
…………あゆちゃんは?
あゆちゃんを見る。
彼女の表情を見て、時間が五分ほど巻き戻ったように感じられた。
相沢君と北川君が警備兵に怒られたのを話のネタにして。
そこから様々な話に転じながら。
皆でお喋りに興じていた。
突然だった。
あゆちゃんがビクッと震えたのは。
あの時の苦しそうな、悲しそうな、脅えたような――――沈痛な表情。
それは今のあゆちゃんの表情とまったく同じだった。
そして、その直後に起こった出来事は――――
「祐一くん! 後ろっ」
五分前と同じように震えた声であゆちゃんは叫んだ。
相沢君が振り返った直後、彼の目の前で淡い光が発生する。
そしてそこから、やっぱり五分前と同じように光から魔物――トロルが現れる。
驚きながらも流石は相沢君、瞬時に反応し、現れてさっそく攻撃してきたトロルの一撃を避ける。
その流石さもあゆちゃんの声があってこそだけど。
彼女の声がなければ完全に不意打ちでいくら相沢君でも避けきれなかったと思う。
けれど、それより気になるのは――――
「行っちゃダメ!」
避けた後、すぐさま攻撃に移ろうとしていた相沢君をあゆちゃんが叫んで制する。
その直後、またもトロルが現れる。しかも今度は集団で。
突っ込んでいたら、最初のトロルを倒しても新しく現れたトロル達に相沢君は囲まれていた。
それでも何故か彼がやられるイメージが浮かばないのはひとまず置いといて。
新たに現れたトロルは三体。
これならあたし達ならすぐに倒す事が出来る。
けど、周りを見渡せばいたる所から淡い光が発生している。
それは≪転移≫の光。
公園中に魔物が発生している事を示していた。
一番初めに動いたのは相沢君だった。
まず≪雷放≫を右手だけでなく両手に宿らせ、片手に付きトロルを一体ずつ倒し
て。
それから今いる場所から一番近い公園の出口に向かって走って。
そこにも現れたトロルを可能な限り倒して。
「こっちに逃げろーーーーー!!」
皆が動く言葉を、逃げれる出口を、創る。
ここにいるのはあたし達だけじゃなく、しぃちゃん達だけじゃなく、その他大勢の一般人がたくさんいるから。
「名雪っ。北川君っ。公園内を散開して!」
この公園は中々に広い。
木々に邪魔されて見えない場所も魔物が≪転移≫されているとみて間違いないはずだ。
だったら固まるより散らばる方が得策。
大勢の人達の逃げ場所になるだろうここは相沢君に任せよう。
一人でこの場を守るのは骨が折れるどころか無茶もいいところだけど、彼ならきっと大丈夫だと思う。
悔しいけれど相沢君の実力はあたしより上だから。
「栞。あなたは――――」
「わかってる」
栞はあたしの言わん事を理解してコクリと頷く。
「わかってるよ、お姉ちゃん」
少し寂しそうに、悔しそうにもう一度繰り返してから栞は一般人の中に紛れる。
それはすなわち、逃げると云う事。
栞は昔、病弱だったせいで今でも全然体力がない。
魔術に関しても防御・回復系に偏っていて攻撃魔術は全くと言っていいほど遣えない。
言っちゃ悪いけど、この場に居ても足手纏いにしかならない。
だったら早く逃げてもらう方が良い。
そして、逃げた方が良いのがもう一人。
「あゆちゃん!」
あなたも逃げなさい。と言おうとしたけれど、もうすでに彼女は相沢君の方へ向かっていて、だったら言う必要はない。
そしてあたしも動く。
名雪と北川君はすでに移動した後で、あたし達の周りにいた残りの二体のトロルも倒されていた。
栞と話している時に二人が移動の際、倒しているのを見ていた。
歩道の左右を木々に囲まれた自然の多いこの空木公園。
憩いの場としては最適だけど、いざ戦闘となると視界が遮られ何処に魔物がいるのか分からない。
分からないけど、歩道の先から人々が逃げてくるのを見れば存在するのは確か。
視界の端で褐色の何かが動くのを捉え、視線を向けると木々の更に奥の歩道にトロルを発見する。
本来走るべき歩道から逸れ、木々の間を縫って一直線に向かう。
木々の隙間を抜けて、視界が開けるとすぐさま状況を確認。
なんとも困った事にまたしぃちゃんが襲われていた。
今度は一人じゃなくて、他の三人も一緒で男の子が女の子の前に立ち、泣きそうなのを堪えて庇っていた。
やるじゃないの。男の子。
トロルは彼らに攻撃を加えるアクションを起こす前。
間に合う!
脚にグッと力を入れて一っ跳びでトロルの元に辿り着く。その勢いを使って肩に蹴りを入れる。
さすがに吹っ飛ばすというのは無理だったけど多少の距離をつくるのには成功した。
「≪火炎球≫」
トロルの頭に向かって炎の球を撃ち出す。
しぃちゃん達を襲おうとしたところを突然あたしに横槍を入れられたせいで、トロルはまったく反応出来ていない。
≪火炎球≫が直撃し頭を抱えて苦しんだ後、やがて倒れた。
いくら再生力が高くても頭をやられたら敵わないでしょう。
トロルが倒れるのを見届けてから、あたしはしぃちゃん達に向き直る。
その子達は安心からか、それとも不安からか、ぐずぐず泣きかかる。
あぁもうっ。名雪のやった事がまるで無駄になっちゃったじゃない!
あたしではあんな真似は無理だし、そんな事をやっている時間もない。
辺りを見渡すと、青い顔をして逃げている三人の青年達が通りかかった。
全員二十歳くらいだけど明らかに一般人。鍛えているようには見えない。
だけど、選り好みが出来る状況じゃない。
「ちょっとあなた達! こっちに来て!」
彼らが来ようかどうか迷った様子を見せたので、
「早く来なさい!」
殺気を込めて再度呼んだら素直にやってきてくれた。
「……な、なんだよ? 早く逃げないと危ないぞっ」
そんな事は分かってるわよ。
「この子達を一緒に連れて逃げて下さい。お願いします」
彼らはすぐにコクコクと頷いてくれた。
こんな時に人の本性は出るというけれど彼らは優しい人達で助かったわ。
青い顔が更に青くなったのは気のせいよ。
しぃちゃん達に振り向きざまに殺気を霧散させる。
「皆、このお兄さん達と一緒に逃げてちょうだい。分かった?」
女の子二人は泣いたままだったけど、男の子は涙を浮かべながらも、コクンと頷いた。
「いい子ね。あっ。そうだ、これ」
初めの言葉は男の子達に、後の言葉は青年達に向けて言った。
青年達の方を向き、懐から取り出した袋を渡す。
「魔石です。魔物に襲われそうになったらこれを投げつけてください。倒すことは無理でも怯ませる事くらいは出来ます」
「あ、あぁ……わかった。ありがとう……」
不安は残るけど、今あたしが彼らに出来るのはここまで。
無事に逃げられる事を祈りながら、また走りだす。
曲り角を二度曲がると十五メートルほど先にトロルがいた。
トロルの方もあたしに気付き、ここから≪火炎球≫を遣ってもガードされて、倒すまでは出来ない。
だったら――――
「≪業火球≫」
≪火炎球≫より一つレベルが上の炎の球。
見かけは大して変わらないけど、灼熱のそれは熱量が半端なく違う。
トロルは予想通りガードをしたけれど、無駄よ。そんな生易しいものじゃないわ。
だけど、さすがは再生力の生命力の高い魔物。炎に巻かれて苦しむけど中々倒れない。
あたしは跳び上がり、頭蓋に横から蹴りを入れる。
ゴキリッと云う感触と共に炎の熱を脚に感じる。
いくら『魔術抵抗』があるといってもさすがに熱いわね。
≪火炎球≫でトドメをさせばよかったかも。
だけど、それだと魔力が勿体無いか。
後ろから聞こえるトロルが倒れる音はすでに意識の外。
まだまだ魔物の数は多いはず。
すぐさま発動出来るように魔術のイメージを整えていなければならない。
倒した魔物なんか気にしている暇はない。
魔物を倒して。
逃げまとう人々には大声で逃げ場所を教えて。
魔物に襲われそうな人がいて。
すでに魔物に襲われて怪我をしている人もいて。
辺りは雄叫びと悲鳴で騒音のようになっていたけれど。
「――――っっのバカあゆがっ!!」
広場にいる筈の相沢君の怒鳴り声があたしの所まで響いてきた。
声の方角からすればの広場の方で間違いないのだろうけど、それよりも…………あゆちゃんですって?
逃げたんじゃなかったの?
何か危険な事態になったの?
気になって戻ろうかと一瞬だけ悩み、やめた。
「――――香里」
今度は前方から名雪が呼ぶ声がした。
「今の祐一の声だよね。どうしたのかな?」
「さぁ? 分からないわ」
あの怒鳴り声だけで状況が分かるほどあたしは万能じゃない。
「いった方がいいかな?」
「大丈夫なんじゃないかしら。来てほしかったら彼の方から呼ぶでしょう。それに――――」
あたしは名雪の周りに目を向ける。
「危険な状況になっていたとしたらその人達をわざわざ危険地帯に連れて行く事なるわ」
「あ、そっか」
名雪の周りには大人から子供まで男女も関係なく、十数人の一般人がいた。
この娘の持ち前の穏やかな空気が自然と彼らを集めたんでしょうね。
これを無意識にやってのけるから凄いわ。
「早くその人達を避難させなさい」
「避難っていってもどこにいけばいいのかな?」
「騒ぎを聞きつけてすぐに警備兵も来るでしょう。そしたら任せればいいわよ」
「そっか」
それだけの短い会話を終えて、すぐに名雪と別れる。
走っていると道にトロルの死体がちらほら転がっていた。
名雪と北川君の仕業でしょうね。
喉や口の中、それにその他の急所を一突きしているのが北川君のもの。
それに対して名雪の倒したものは、ぱっと見では死体には見えない。
きらきらとした氷の破片の中に魔物の肉片が閉じ込められている。
これは魔物を氷漬けにした後、粉々に割って出来たもの。
名雪はおそらく≪氷天華≫の魔術を遣ったんだろう。
トロル相手に遣うにしては少しばかりレベルが高い魔術。
だけど、北川君が創りだす無惨な死体と違って恐怖も嫌悪も感じる事がない。
……こんな時でも名雪は名雪ね。あの娘は本当に優しいわ。
名雪の周りの彼らを思い出しながらそう思った。
真っ直ぐな歩道の先に右の曲り角ができ、道が二つに別れている。
勘で右に曲がり、しばらく走ると大声が聞こえてくる。
悲鳴ではなく統率の取れた声。
――――警備兵だわ。
すぐにそう理解して、幾分か安心した。
走っているとその大声を上げる人達と擦れ違い、やはり警備兵だった。
擦れ違った時、あたしにも警備兵と一緒に避難場所へ移動するように叫んできたので適当な返事を返し、通り過ぎる。
呼び止めてはいたが他の一般人がいるため、流石に追いかけてまではこなかった。
何処からか、何処からでも、雄叫びが連続して上がりだしてきた。
気合の篭もったその雄叫びは人間のものであり、魔物と戦っているんだろう。
その場所の一つが見えてくると予想通り警備兵が三人でトロルを相手にしていた。
警備兵達が手にした剣ではトロルに大したダメージは与えられていないようだ。
それどころか彼らは何度もトロルの爪で裂かれ、血だらけで圧倒的に劣勢だった。
甲冑を装備していなければすでに殺されていたでしょうね。
トロル一体でもそれだけ苦戦しているのに更にもう一体、あたしが走ってきた歩道とは逆からやってくる。
このままでは危険だと判断し、脚に力を入れて急いで駆け付ける。
「キミっ。ここは危険だ。他の場所へ逃げなさい!」
近づくあたしに気付いて警備兵の一人が大声で牽制してきた。
構わず彼らに向かって行くと、牽制してきたその人が身体で無理矢理にでも止めようと立ち塞がった。
あたしは簡単に自己紹介をする。
「美坂香里っ。ハンターランク『A』です!」
立ち塞がるその人が『A』という言葉に驚いた隙に横をすり抜ける。
トロルは二体。
トロルのすぐそばに警備兵がいるから≪火炎球≫は遣えない。
「――――はぁぁぁっ!」
小細工無し。
手前に居たトロルの懐にもぐりこんで鳩尾に全力で正拳突き。
一瞬、トロルの動きが止まるがやはり人間と魔物の身体能力の差は大きい。
急所にモロに入ったというのに大したダメージがない。
だけど、ここの本当の狙いは警備兵とトロルの間に割り込む事。
「≪業火球≫!」
≪火炎球≫だと一体倒すのが限界だけど≪業火球≫なら手前のトロルを焼き尽くした後、その奥のトロルにまで飛び火させられる。
二体目のトロルにはダメージを与えられたけど、倒すまでには至っていない。
「トドメを!」
≪業火球≫を遣った後、すぐ動くのはさすがにキツイので後ろの警備兵に任せる。
トロルは彼らの持つ剣で切り裂かれる。
炎に巻かれ、複数の剣で切り刻まれれば堪ったものじゃないでしょうね。
そして、二体目のトロルも倒れ、警備兵達があたしの方へ向く。
彼らに浮かんでいた表情は安堵と驚き。
『安堵』は言うまでもなくトロルを倒した事で『驚き』は自分達を助けた者がこんな小娘とは思わなかったんでしょう。
「出過ぎた行動をして申し訳ありません」
「いや……助かったよ。感謝する」
形だけ謝るあたしに受け答えをしたのは牽制した警備兵だった。
「キミは一人なのか?」
「いえ、今から仲間と合流するところです」
本当は『今から』ではなくて『後から』だけど。
それでは。とあたしは足早にその場を去る。
一人だと言うとそのまま一緒に行動をさせられそうだったから。
呼び止める声を無視して、また走る。
しばらく走ってもようやく魔物と会わなくなった頃。
道端に細長い棒が転がっていた。
なんだかそれがやけに気になってスピードを緩めてから近づき、近づくにつれどうにも見覚えがあるようがしてきた。
足を止め、手にしてみるとすぐに分かった。
「これって北川君の槍……よね」
どうしてこんなところに落ちているのだろうか?
『槍に命を懸けている』と豪語する彼が落としたとは思えない。
何があったんだろうか?
槍を手にして移動をしながら、考える。
魔物にやられたとは――――思えない。
彼の実力を知っているからこそ思えない。
この公園に≪転移≫されてきたのはトロルばかりだった。
道端に転がる死体を見てもそれが分かる。
トロルは巨大な図体の割には俊敏だ。
だけど、北川君のスピードをもってすればまるで相手にならない。
トロルは彼に触れることすら出来ないだろう。
だったら――――と、思考を働かせていたらその本人が現れた。
「美坂ーーーーっっ!!」
まずは叫び声がして、その後突風のように北川君がやって来る。
トロル程度、北川君からすれば。
相手にならないと。
触れる事すら出来ないと。
そう思っていた彼の姿は――――血だらけだった。
返り血なんかじゃなく、紛れもない彼の血。
服は破れ、真っ赤に染まっていた。
身体は大小多くの傷がつけられ。
血で見落としそうになったが内出血をして青痣まで出来ている。
だけど、彼は自分の怪我をまるで気にもせず、
「やっと見つけたっ。頼む、来てくれ!」
強引に手を引っ張って彼がやって来た方向へ走ろうとする。
「ちょっと待ちなさいよっ。怪我だらけじゃない!」
「ンなコトどうでもいいから早く!」
「ど、どうでも良いですって……!」
カッと頭が熱くなる。
「頼む! 美坂!」
必死な目。
焦った口調。
あたしの手を掴む北川君の手は怪我人とは思えないほど力強い。
…………落ち着きなさい。美坂香里。
「何があったの?」
「とにかくついて来てくれ。話してる余裕がねぇ」
「分かったわ。行きましょう」
走る前に槍の事を思い出し、北川君に渡した。
彼は渡した物を見もしないで御座なりにサンキュ。と短く礼を言って、走り出す。
北川君がかなりのスピードで走るのであたしは付いて行くので精一杯だ。
あたしが追いつけるように彼なりにスピードを落としてはいるのだろうけど、気が逸っているせいか時々スピードが上がったりする。
高速で景色が駆け抜けて、だけどそんなもの気にする余裕はない。
北川君の背中を追うのに全力を注ぎ込む。
こんな時に魔物に襲われたら、あっという間にやられてしまう。
魔術を遣うにしても、体術で戦うにしてもスピードを落とさなければ対処出来ない。
なのに北川君は前方にトロルが現れてもまるでスピードを落とさない。
「――――邪魔だぁぁぁぁぁ!!」
怒号と共に北川君が手にした槍を投げつける。
スピードが乗った槍はトロルの顔面を貫き、柄の中心辺りまで深々と刺さってようやく止まる。
彼はそれに見向きもせず、相変わらずのスピードで横を通り過ぎる。
「北川君! 槍は!?」
「ンなもん後でいいっ!!」
『命』とまで言った槍をそんなもの扱い。
それほどまでの事態なのか。
それから魔物には会わず、彼の目的地に到着する。
といっても、今までと変わらず、公園の歩道であるけど。
「早川さん! 美坂を連れてきた!」
歩道の端、木の影に警備兵が二名と妙齢の女性が一名。
そして女性の視線の先に――――
「…………ひどい怪我」
――――死に掛けの男の子が一名。
しぃちゃん達より更に小さい、まだ幼児ともいえる男の子。
腹部をザックリと切り裂かれ、出血もひどい。
動かせばその衝撃にこの小さな身体はもたない。
だからといってこのままにもしておけない。
一刻を争う事態だ。
北川君のあの焦りようも頷けるというものだ。
「治してやってくれ!」
「言われなくてもっ」
女性――この子の母親だろう――に断って、地面に横たわる男の子に手を翳す。
「おね、おねがいしますっ。まおを……まおを…………っっ」
「早川さんっ下がって。美坂の邪魔になる!」
嗚咽混じりの懇願をする母親を北川君が力ずくであたしから引き離す。
母親が早川さんで、男の子がまお君ね。
「早川さん。まお君は絶対――――助けます」
宣言してから――――視線を閉じ、雑念を消し、精神を集中させる。
意識をまお君のみに集中させる。
絶対に――――助ける。
あたしはもう一度、今度は自分自身に対して宣言する。
こんな時の為に。
こんな事態に対処出来る為に。
あれから努力してきたんだから。
栞の時には何も出来なかった自分が嫌で。
そんな自分に嫌悪して、嘆いて、絶望して。
もうあんな気持ちはたくさんだから。
誰にもあんな気持ちにさせたくないから。
助けるのよ。絶対に――――!
「――――≪復活≫!」
これが今のあたしの遣える最高の回復魔術。
翳した手から光が溢れ、それがまお君に伝わっていく。
光が傷を塞ぎ、見る見るうちに傷が塞がっていく。
だけど、これはまだ表面だけ。
やはり内面は治りが遅い。
――――もっと、もっと!
溢れる光をもっと多く、もっと力強く。
翳した手から、まお君の身体を感じ取る。
傷はもうほとんど塞がった。
だけど――――
傷が消えるにつれ、光が収縮してくる。
――――まだっ。まだよ!
あたしの気持ちとは裏腹に光は完全に掻き消えてしまった。
傷は確かに塞がった。
怪我は確かに治った。
だけど――――
「美坂っ。治ったのか!? もう大丈夫なのか!?」
光が収まったのを見て北川君が興奮した状態で訊いてきた。
「怪我は……もう大丈夫よ」
あたしのこの言葉に北川君が、早川さんが、警備兵の二人が歓声を上げる。
泣き、抱きしめ合い、喜びを分かち合う。
「だけど」
あたしの静かな口調が彼らに不安を過ぎらせる。
「意識が……戻ってきていない」
≪復活≫の光が収まった時に、まお君の意識が戻る感覚が、手応えが感じられなかった。
「…………それは……ど……いう……意味で……?」
「意識が戻らなければ、このまま――――」
その先は言えなかった。言いたくなかった。
それに言う必要もなかった。
言わなくても伝わる最悪の答えだったから。
希望を与えた後だけに余計に――――残酷だ。
何が『絶対助ける』だ。
何も出来ていないじゃない。
これじゃあ何も――――変わっていないじゃないの。
ふと気付くと北川君がまお君のすぐそばに移動していた。
何をするつもりなのかまお君の上半身を起こし、襟首を掴んで、
「とっとと起きろっ。まお助!」
激しく揺さぶった。
北川君の突拍子のないその行動に早川さんは悲鳴を上げ、警備兵二人も混乱し、謎の動きをみせた。
「ちょっ……! 北川君! 何してるの!?」
「あー、やっぱオレじゃ無理か」
北川君はあたしを無視して、早川さんに向く。
「早川さん。あなたの役目っスよ」
「え? え? な、なんです?」
北川君の台詞に完全に混乱している早川さん。
無理もない。付き合いの長いあたしにも意味不明だ。
北川君はまお君の頭をポンポンと叩きながら、
「やっぱガキを叩き起こすのは母親の役目っしょ」
ニカッと得意気に笑う。
「わたしの……役目……?」
「そーそー。早川さんしかいないっスよ」
「………………」
「大丈夫。絶対目ぇ覚ましますって」
「ちょっと北川君。あんまり適当な事は……」
早川さんに聞こえないように小声で注意するが北川君は気にせず、むしろ大声で反論してくる。
「おいおい美坂、忘れたのか? オレら前に水瀬に教えてもらっただろうが」
「名雪に……?」
「おう!」
彼はまた得意気に笑う。
「奇跡は起こるから『奇跡』って言うんだってよ」
――――奇跡。
そう。
そうだ。
どうしてあたしは忘れていたんだろうか。
あたしが自分自身に嫌悪して、嘆いて、絶望していた時に名雪が教えてくれた言葉なのに。
「思い出したか? 美坂」
「……忘れてなんか…………いないわよ」
「そりゃそうか」
北川君は残念そうに、でも嬉しそうに笑う。
あぁ、もう……なんて情けない。
北川君に支えられるなんて。
こんな時にだけ頼りになるんだから。
普段はあたしに怒られてばかりな癖に。
馬鹿で間抜けで阿呆で単純で鈍感の大馬鹿の癖に――――大事な事だけはしっかり覚えてるんだから。
それがとても心地好くて、とても――――悔しい。
北川君が大声で反論したのはあたしだけじゃなくて、周りにも聞かせる為だったんだろう。
…………いや、違う。
そんな気の利いた人じゃない。あれはただの『地』だ。
やばい、今の感情に任せて彼を過大評価しつつあるわ。自重しなきゃ。
「名雪様がそんな事を……?」
何にせよ北川君の奇跡発言によって、警備兵の二人は何やら感銘を受けている。
て言うか、名雪を知っているみたいね。
まぁ『蒼き絶対者』の娘なんだから当然と言えば当然よね。
早川さんはまお君を抱きしめて、きっと北川君の言った言葉を噛み締めているんだろう。
それからしばらくして。
ほんの数分でしかなかったけど数時間にも感じられた時間を過ごした後、早川さんと警備兵の二人と別れた。
あたし達も一緒に行かないかと誘われたけど断らせてもらった。
彼らの為にも本当は一緒に行った方が良いんだろうけど。
まだ――――終わってはいないから。
まだきっと魔物はいるだろうから。
彼らのような人々がいるだろうから。
だから行くわけにはいかない。
彼らの姿が見えなくなるまで見送った後、あたしが未だ不安そうな表情をしていたのか、北川君が言う。
「まおは絶対目ぇ覚ますさ」
「……当然よ」
「なんたって美坂が治したんだからな」
「それに……北川君が庇ったしね」
「なんで知ってんだ? まさか……見てたのか!?」
「貴方が怪我する理由なんて他に考えられないもの」
北川君の怪我はまお君が魔物に襲われそうになったのを自分の身を挺して庇った時に負ったもの。
まお君もあれほどの大怪我だったけど、だけどまだ生きていたのは北川君のおかげ。
それに、まお君だけじゃない。
もっと大勢の人を助けている。
槍を捨ててまで助けている。
傷の多さがそれを物語っている。
「――――≪治癒≫」
そっと彼の身体に触れ、回復魔術をかける。
これは自己治癒を高めて回復を早めるもの。
異常な回復力を持つ彼なら、これですぐに治る。
「おぉ……治ってきた治ってきた」
でも、そんな回復力を持っているからって。
いくら頑丈な身体を持っているからって。
「美坂、サンキュー。もう大丈夫だ」
「そ。ならこれはオマケよ」
あんまり無茶しないでよ、ばか。
「痛ぅぅ……。治したそばからなんで殴るんだよ?」
「怪我したままじゃ、殴られないでしょ」
「そのタメに治したのか!?」
さぁね。とあたしは笑った。
色んな気持ちを隠す為に笑った。
「あーもーそれはもういいや。ンでこれからどうする?」
「相沢君と名雪と合流しようと思ってるけど」
「けど?」
「まずは北川君の槍を取りにいかないとね」
「そういやそうだった。どこにやったっけか?」
「トロルに投げつけてたじゃない。もう忘れたの?」
「そんなコトもあったような……なかったような……?」
「あったのよ。場所はあたしが覚えてるから早く行きましょう」
「おっ流石は美坂大先生。頼りになるぅ!」
明るく、ふざけた調子の北川君。
普段は本当にこんな感じなのにね。
でも、これはこれで――――安心する。
色んな思いがあたしの中で交錯し、自分の中にある感情が何なのかよく分からない。
分からないけど――――笑った。
「――――さぁ、行きましょう」
北川君といる時は『楽しい』と云う感情があるのは間違いないから。
魔術・技解説
『雷放』……………拳に『雷』を宿らせて、触れる事で相手に直接電撃を与える。或いは、打撃と同時に雷撃を送る接近戦用の術。
『火炎球』…………炎系魔術の基本。その名の通り炎の球。大きさは基本的にバスケットーボールほど。
ただし、籠める魔力によって大きさが変わる事もある。
『業火球』…………『火炎球』と見た目は変わらず。ただし、威力は倍以上。
これも魔力によって大きさが変わる事がある。
『氷天華』…………相手を一度氷漬けにした後、粉々に砕ける。
見た目は綺麗だが、実は結構残酷。
『復活』……………高位の回復魔術。森羅万象から力を集め、治療する。
『治癒』……………回復魔術の基本。自己治癒を高め、術を施された本人の力で回復させる。
本人の力によって回復するために体力を消耗させられる。
〜あとがき〜
『雪華都』が滅びるのはまだこれから。
どうも。海月です。
一般人・しぃちゃんから始まり、香里で進む第十九話、如何だったでしょうか?
本当は祐一のいる広場まで行く予定だったんですが思いがけず長くなったので北川のところまでになりました。
なんかキリもよかったし、祐一のところまで書いたら逆に変になったかも。
そーいや、祐一なんか叫んでたなぁ……。
ちなみに美坂チームの面々はそこら辺の警備兵より遥かに強いのですよ。
香里より祐一が強いってのは書かなかったこれまでの学園生活でわかった事です。
にして、香里の一人称って書き易いかも。これからちょくちょく書こうかな? いや、分かんないけど。
あ、後これからバトルが増えるにつれて、必殺技や魔術が出て来きます。
一応話の中にどんな技が説明入れてますけど、それとは別に『魔術・技解説』があったりします。
これってあった方がいいのか? それとも別にいらないのか? ちょっと気になりました。出来れば教えてほしいです。
さて、ついに始まった戦いの行方は如何に!?
次回『しぃちゃんとまお君のその後』をお楽しみに!(また嘘
海月さんから祐一、強っ!でも出番少なっ!な十九話を頂きましたw
北川がいい味出してます。
小さい子供のために自分が傷だらけでも頑張るっていうのがね。(流石不死身の北川だ)
香里との仲も深まって。(祐一×香里のマサUとしてはなんだかとってもチクショーですがww)
さて、次回こそは祐一は活躍するのでしょうか?w
感想などは作者さんの元気の源です。続きが早く読みたい人は掲示板へ!
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