第11話 今宵、空に花咲きて









 さてさて、そんなわけで水瀬さんの部屋へと移動したわたしでしたが。

「……えーと、下着は着ててもいいんだっけ?」

「うん、平気だよ」

 ホントに秋子さんが持ってきた浴衣を手にどうしたもんだかと悩んでみたりするんだけど……まあここまで来て渋っても仕方ないか、とため息1つ。

 意を決して紺の布地に花火をイメージさせる模様が付けられた浴衣を広げて、

「どうやって着ればいいんだろう?」

 うーん、と首を傾げてしまう。

 言うまでもなく、わたしは着付けができません。そりゃ自分で持ってないんだから当然なんだけど。

「あ、わたしが教えるから大丈夫だよー」

「水瀬さん、着付けできるんだ」

「うん、ずっと前にお母さんに教えてもらったからね」

「へー」

 そういえばこの浴衣も秋子さんが昔使ってたものだって言ってたっけ。やっぱり秋子さんもお母さんから教わったりしたのかな。

「最初はね、この下に着るやつを……」

 水瀬さんの指示に従って浴衣に袖を通していく。

 これがまたなかなか難しい、と言うか手間のかかると言うか。あっちこっちで紐だの帯だのを結ばないといけないからだんだん混乱していくんだよね。

「せっかちゃん、そこはこうやってね」

「うー、なんかわけ分かんなくなってきちゃった」

「あとちょっとだから、ふぁいとだよっ」

 自分の着付けを後回しにしてまでわたしの面倒を見てくれる水瀬さんには感謝してるけど、ここまでする必要あったかなー、と今さら疑問に思ってるわたしもいたりして。

 それでもまあ、7割方水瀬さんの力でどうにか様になる着方ができたかな、と思わなくもないです。想像してたよりは暑くないし、浴衣もそんなに悪くないかな? 何より風情があるし。

「かんせいー」

「なんだかお祭り行く前から疲れちゃったよ」

「あはは、ダメだよせっかちゃん。これからが本番なんだから」

 冗談めかして言いながら、水瀬さんは実に慣れた手つきで水色をベースにした花柄の浴衣を着込んでいく。

 あれよあれよと言う間に最後の帯まで結び終わって、最後にちょちょいと角度を調整したりして着替え終了。それとほぼ同時に部屋のドアをノックする音が聞こえてきた。

「はーい」

「名雪たちはまだ準備できないのか?」

「うん、もうちょっとかかるよ」

「そっか。んじゃ俺たちは下で待ってるからな」

 短いやり取りが終わって、すぐに階段を下りていく2つの足音。どうやら隣の部屋で着替えていた男子2人はもう準備を終えちゃったみたい。

 まあ男の子はお出かけの準備ってあんまり必要ないからねぇ。せいぜいお財布持つくらいだろうし。

「せっかちゃんもお化粧する?」

「あー、今日は道具持ってきてないから別にいいかなーと思ってるんだけど」

「わたしのでよければ貸すよー。そんなにたいしたものは持ってないけどね」

 苦笑しながら手招きする水瀬さん。

 せっかくだからちょっとだけしていこうかな……いつだったか彼女とこういう話題になった時に、お互い似たようなメイクをすることがあるっていうのは聞いたから、たぶん持ってる道具も同じようなものだろうと思うし。

 わたしの化粧道具は部屋で埃を被ってそうだけどねー。何せこのところ使う機会なかったし。まさか学校行くのにする必要もないだろうから。してる人はしてるんだろうけどね。

「でもわたしが使ってもいいの?」

「うん。せっかちゃんが気に入るようなのがあるかは分からないけど」

 そう言って水瀬さんは鏡の前からどいてくれた。そこに座って並べられてる化粧品に目を落として、普段自分でも使ってそうなものだけをピックアップ。

 手早く終わらせてしまおう、と思ったところで来客を告げるチャイムが聞こえてきた。

「あ、もう美坂さん戻ってきたのかな」

「そうかも。わたしちょっと見てくるね」

 言い終わるが早いか、水瀬さんはパタパタと行ってしまった。

 相変わらずたくさんの時計が並べられた部屋に1人残されて、なんだかよく分からないけど妙に気が急いてきた。

「……どーせお化粧してもそんなに変わらないし、ねぇ」

 呟いてからリップを引いて、もう一度チェック。

 まあこんなもんかな、と自分に言い聞かせてから部屋を出て階段を下りかけたところで何故か相沢君と鉢合わせ。

「おお、やっと下りてきたな、せっか」

「お待たせしました。それにしても相沢君、似合ってるねそれ」

「ん、そうか?」

 言って彼は深い緑色の袖を広げてみせる。

 あんまり派手な色は合わないと思っていたから、この組み合わせはいいと思う。さすがは秋子さんが選んだ浴衣だな、なんて。

「せっかも似合ってるぞ、その浴衣」

「そうかな?」

「おうよ。何つーか見違えたな」

「あ、ありがと……」

 もう、一体どうリアクションしたらいいものか分かりません。まさか面と向かってそんなこと言われるとは思ってなかったから……

 こういう時ってどんな風に答えたらいいのかな、って考えようとしてもすでに頭の中はパニック状態でロクに物事を考えられなくなってて、どうしたらいいんだろうと思っていると、

「……ん?」

 ふと視線を感じてそちらに目を向ける。

 すると何故か水瀬さんたち3人がドアの影から覗き込むようにしてこっちを見ているのに気付いて、思わずポカーンとしてしまう。なんだかみんなそろってニヤニヤしてるし。

「えーと、3人ともそんなところで何やってるの?」

「別に何でもないわよ。それより時間もそろそろいい頃合だし、全員準備もできたみたいだから出発しましょうか」

「うん、そうだねー」

 何故か妙に嬉しそうにしながら言葉を交わす美坂さんに水瀬さん。美坂さんは淡い黄色に朝顔が描かれた浴衣姿だ。手に持ってるウチワにも同じ花が描かれてるのは統一感を出したかったのかな。

「どうして2人ともそんなに楽しそうなのかな……」

「さて、どうしてかしらね」

 うわーん、この人めちゃめちゃ確信的だよー。

 どうもここ最近は彼女が先頭に立ってわたしと相沢君をくっ付けようとしている節があるからなぁ。

 そりゃわたしだって相沢君のことは嫌いじゃないけど、そんな風にされたら余計に気になってきちゃうし、夏休みに入る前辺りからはホントにそのことばっかりになっちゃいそうで大変だから、少し手加減してもらいたいです。

「ほらほら、祐一も早く早く」

「急かさんでも祭りは逃げないっての」

 玄関ですでに草履を履き終えたらしい水瀬さんの手招きを見て、苦笑する相沢君。

 その彼に続くようにしてわたしたちも玄関をくぐり、秋子さんの見送りを受けていざ出発。のんびりと歩きながら、時々飛び出す相沢君と北川君のバカ話に呆れたり笑ったりしながら商店街へ。

「うわー、凄い人だね」

「確かに。普段はどこにいるんだって感じだよな」

 思わず口を突いて出た言葉に、相沢君が同意してきた。

 所狭しと並んだ夜店にたくさんの人が集まってきている。たとえ安売りセールをやってたってこんなに混雑はしないんじゃないかってくらいに。

 やっぱりみんなお祭りとか好きなんだな、と隣に立っている男の子にチラリと視線を向けながら考えてみたり。夜店が並んで道が狭くなってるから混んでるように見えるのかもしれないけど、それを差し引いても多いと思うんだよね。

「さて、これからどうするかね」

「えーっとね、7時くらいから花火やるんだって。だからそれまでは自由に回っててもいいんじゃないかな」

 通行人の邪魔にならないように道の端に移動してから今後の動きについて話し合い。色々意見は出たものの、結局水瀬さんの言葉通り、花火が始まる頃にどこかに集まることになった。

「しかし集まるって言っても、どこにだ?」

「それだったらいい場所があるぜ。ちょうど花火もよく見えるところだし好都合だろ」

「ああ、神社の境内ね」

「なんだ、美坂も知ってたのか」

「知る人ぞ知る、とは言われてるけどね。案外有名なのよ、あの場所」

「そうなのか。それじゃあ混雑するかもな……」

「あ、でもそれだったら早めに行けばいいんじゃない? 仮にも穴場なんだったら早めに行けば大丈夫のような気がするんだけど」

 まさか境内で打ち上げたりするわけじゃないだろうから、近くで見ようと思ってる人たちが集まる場所に比べれば人は少ないと思うんだ。

 でも夜店が神社の側まで出てたりもするから人は多いかもしれないなぁ……美坂さんの言うように、それなりに知られてるんだとしたらなおさらね。

「じゃあ30分くらい前に集まるってことでいいか?」

「そうね、それくらいでちょうどいいんじゃないかしら」

「うし、方向性が決まったんなら早速祭りを楽しむとしますか! なあ美坂――」

「あ、あそこでリンゴ飴売ってるよ香里」

「ちょっと名雪、あんまりフラフラしないでよ?」

「って、オレのことは完全スルーですかお2人さん!?」

 水瀬さんに手を引っ張られて行ってしまった美坂さんを追いかける北川君。その後ろ姿がなんだか少し涙を誘うのは気のせい、かな?

「……3人で固まって動くんなら、あんまり自由行動にした意味がないと思うんだがなぁ」

 ポツリと横に立っている相沢君が呟く。

 まったくその通り、と思った次の瞬間、ふとあることに気付く。

 もしかしなくてもわたしたち、今2人っきり……?

「あー、でも祭りに1人で参加しても面白くないか……だったら最初から全員で動けばいいだろうに」

 名雪のやつは相変わらずどっか抜けてるな、なんて言ってる相沢君だったけど、そんなことはもうどーでもよかった。

 この状況で2人っきりってことは……さっきの水瀬さんたちの行動は、そういうこと、なのかな?

 う、うわー、なんか妙に意識しちゃってすっごく落ち着かないんですけど。だんだん頭の中が真っ白になってきたような……

「おい、せっか。大丈夫か?」

「ふぇ? あ、えっとどうかした?」

「そりゃこっちのセリフだ。なんかボーッとしてたから何かあったのかって。……もしかして具合でも悪いのか?」

「ううん、全然大丈夫だよ!」

「そ、そうか。まあそれだけ元気がありゃ平気そうだな」

 思わず勢い込んで返事をしてしまったから相沢君はビックリしちゃったみたい。

 でもこっちはもうずっとドキドキしててわけが分からないんだよー。うー、こんなに余裕なくなるなんて思ってなかったなぁ。

「……と、ところで相沢君は行かなくていいの?」

「ここでせっか1人を置いていくわけにもいかんだろ。それよりほら、時間もないことだし俺たちもそろそろ行こうぜ」

「あ、うん」

 そうだよね。せっかくのお祭りなんだからちゃんと楽しまないと損だ。

 よし、と心の中で呟いてから相沢君に並んで人ごみの中に入っていく。でも直後にちょっとだけ後悔した。慣れてない恰好をしてるからっていうのもあるんだろうけど、凄く歩きづらいよ……

「しかしこれだけ人が多いとはぐれそうだな」

「そうだねー」

 頷きながらも行き交う人を避けながら少しずつ前に進んでいく。

 それにしても相沢君、こんな人ごみをすり抜けるように歩けるのは凄いなぁ。わたしなんか、目の前に来た人を避けるので精一杯なのに。

「うわっ……ああ、すいません」

「おいおい、何やってんだよ」

「何って、相沢君がどんどん先に行っちゃうから一生懸命追いかけてるんだよっ」

 わたし1人置いていくわけにも、って言ってた割には配慮に欠けてると思うんだけど。

「う、そうか……そりゃ悪いことしたな」

「ホントだよ、まったく――」

 ちょっとだけ不貞腐れながら言葉を返した瞬間、急に相沢君の方に引き寄せられてビックリする。

 何が起きたんだろうって考えるのとほぼ同時に何かがわたしの手を掴んでいる感触。

 ほのかな温かさを伝えてくるそれが何であるのかを理解した時には、突然の出来事にわたしの頭は何も考えられなくなってたわけで。

「ちょ、相沢君、手」

「ん、ああ、こうしておけばせっかのことを置いてくことにもならないだろうしな」

 事も無げにそう言ってくれる相沢君。反射的に彼から顔を逸らしてしまう。

 たぶん、彼に他意はないんだろう。ないんだろうけど、でもそういう意識をしてしまうのが我ながら……

「ほらほら、ボーッとしてないで行くぞ、せっか」

「う、うん……」

 クイクイっと手を引っ張って合図してくる彼についてわたしも足を動かし始めた。

 しばらくの間は何が何だかよく分からない状態だったけど、それでも2人で色んな夜店を回っているうちにどうにか気持ちが落ち着いてきた。何せ途中からは相沢君と一緒になって金魚すくいやったり、射的やったり、焼きそばに綿菓子に、と結構お祭りを満喫してたからね。

 そんなわたしを見て満足そうにしている相沢君のはしゃぎようは凄かったなぁ。そこらの小学生と真面目に張り合ったりするから、見てるこっちの方が恥ずかしくなってきちゃったし。

 でも、そんな風に楽しめる彼がちょっと羨ましかったり、なんてね。……見方を変えると、わたしなんか全く相手にされてないってことかもしれないけどさ。

「と、そろそろ時間だよ相沢君」

「お? もうそんなに経ったのか。やっぱり楽しい時間はあっと言う間に過ぎてくな」

「あはは、そうだね」

 なんてことを話しながらも、実は神社のすぐそばまで来てたわたしたち。

 だから目的地である境内にはすぐに着いてしまったんだけど、どうやらまだ水瀬さんたちはいないみたいで、辺りを見回してみても3人の姿はなかった。

「なんだ、あいつらまだ来てないのか。だったらもう少し遊んできてもよかったかな」

「うーん、どうだろ。せっかく早く着いたんだから花火を見るために絶好のポジションを確保するとかもできると思うんだけど」

「そういうのは北川の方が詳しいだろうけどなぁ。せっかはそういうところに心当たりないか?」

「わ、わたし?」

 いきなりそんなこと言われても……だいたいお祭りの花火見に行く時は打ち上げ会場の近くまで行ってたし。

「んー、あっちの方で毎年打ち上げてるから、向こうの方にでも行ってみる?」

「おう」

 短く返事をしてから、相沢君が歩き出す。

 まだ手はつながれたままだったから、わたしも歩かざるを得なかったんだけど、そんな時にふと思った。

 もしもこの手が離れたら、一体わたしはどう思うんだろう、って。

 そりゃ、ずっとつないでることはできないけど……ううん、だからこそ少しでも長い間つないでいたい。そんな思いが湧き上がってきた。

 もちろん相沢君はそんなこと思ってないだろうな。今だって単に親切心で手を引いてくれてるだけだろうし。

 ……でも、夜店が並んでいるところに比べると人は少ないからはぐれたりしないと思うんだ。だから、少しくらい自惚れてもいいのかな。

「なあ、だいたいこの辺か?」

「え!? ……あ、うん。そうだね」

「何だよ、またボーッとしてたのか? 危なっかしいやつだな」

「失礼な、考え事してただけだよ」

「考え事ねぇ……」

「む、信じてないな?」

 他ならぬあなたのことなのに。

「信じてないとは言ってないだろ。何か悩み事でもあんのか? 俺でよけりゃ相談に乗るが」

「え、や、それはちょっと」

「……それは俺が頼りにならないってことか。祐ちゃんショック」

「そういうわけじゃなくて、その、何て言ったらいいかな」

 いっくらなんでもこればっかりは相沢君には相談できないよ。……水瀬さんたちにもちょっと無理かな、と思わなくもない。どうせ面白がられてからかわれるのがオチだろうし。

「ははっ、いいよいいよ。男には相談できないことってのもあるだろうしさ」

「いや、別にそういうわけじゃなくて」

 なんだか変な方向に誤解されちゃったような気がするけど、突っ込んで訊かれても困るしなぁ。そういう意味ではここで話が終わってよかったのかもしれない。

 花火が打ち上げられるだろう方向が開けていて、周りにあまり人がいないところでわたしたちはそっと手を離した。正直、まだ名残惜しかったけどこれ以上つないでるのは不自然だったから仕方ないかな。

 それからは受験とか残り少ない夏休みのこととかで色々話をしたんだけど、その間もやっぱりわたしの頭の中から相沢君がわたしのことをどう思ってるのかっていうのが離れてくれない。

 こればっかりはちゃんと本人の口から聞かないと分からないし、でもそれを改めて訊くのは怖いし……そんな葛藤が頭を悩ませる。

 だけど今は絶好のタイミングだと思うんだよね。水瀬さんたちはまだ来てないし。たぶん花火が始まる頃には来るだろうからそれまでには――

「なあ、せっか」

「ひゃいっ!?」

 いきなり名前を呼ばれたから変な声が出てしまう。それを聞いて相沢君は小さく吹き出すと、

「何だよ今の笑える声」

「な、何でもないよっ。それよりどうかしたの相沢君」

「ああいや、いい加減あいつら遅くないかって。ここが見つけにくい場所だとは思わないけど、もしかしたらどこにいるのか分からなくなってんじゃないか?」

「どうだろ……でも確かに遅いよねぇ」

「だよな。やっぱりその辺見てくるか」

 そう言って神社の入口の方に向かって歩き始めた彼の手を、半ば反射的にわたしの手が掴んでしまう。

「……どうした?」

「あ、いやその、何だろ」

 自分でもこんなことするとは思ってなかったから驚いた。慌てて手を離そうとするけど、でも体が言うことを聞いてくれない。

「あ、あのね、その……」

「もしかして置いてかれるのが怖いのか? だったら一緒に」

「そうじゃなくてね、あの、えっと……相沢君!」

 頭の中は真っ白で、緊張のあまり視界はグルグル回り始めて。

 それでも何度も何度も自分に言い聞かせて、彼のことを正面から見据えながら、

「あのね、相沢君。相沢君はわたしのこと――」

 その時だった。わたしの声を掻き消すような「ドーン!」という大きな音とともに空が明るくなったのは。

「お、始まったみたいだな」

 言いながら改めてわたしの隣に並んだ相沢君は、わたしの手を払うことなく花火が咲く夜空を見上げる。

 そんな彼のことをしばらく見つめた後、小さく息を吐いてから同じようにして空に視線を向けて、次々に咲いては散っていく花火のことを眺めた。

 見ている間は何も言葉を交わすことはなかったけど、それでもこの空気を彼と共有できたっていうことがなんだか嬉しくて、この気持ちが報われなかったとしてもそれはそれでいいんじゃないかな、なんて考えてしまった。





 ちなみに、やっぱり花火の音でわたしの言葉は聞こえていなかったみたい。

 あとで訊かれたから大慌てで「何でもない」って言って、ちょっと後悔した。でもみんなも合流してたからさすがにあんなこと言えないし……

 それと水瀬さんたちだけど、どうやら境内の別のところで花火を見ていたみたい。見ている間ずっと手を握ってたのを見られなかったのはよかったんだけどね。

 でもねぇ、ここまで露骨に気を遣ってもらわなくてもいいと思うんだけど。

 おかげで今日は余裕を持てない1日だったなぁ。なんだか妙に疲れちゃったよ……






後書き

またもやお久しぶりの迷宮紫水です。
「何気ない日常の中で」第11話でした。
夏祭りのお話後編だったわけですが、いかがなものでしたでしょうか。
とうとう雪花は告白1歩手前まで辿り着いたわけですが、物事はそう簡単に終わってくれません。
彼女のヤキモキする日常はもうちょっと続きます。
そんなわけで、次回は学生にとっては待ちわびるような面倒なような、そんなイベントが発生します。
いよいよ佳境に差し掛かってきた物語、さてさてどうなりますことやら。
何かご意見ご感想、叱咤激励その他「早く続き書いてプリーズ」みたいなのがありましたら
こちらまで。


迷宮紫水さんから何気ない日常の中で11話頂きました。

失礼ながら前回の話を忘れていたため始めの下着は着けててもいいんだっけのセリフでドキッとしましたw

何考えてるんでしょう私は……

そんなわけで花火のバカヤローです。もう、良いタイミングでなるんだから!

それにしても名雪達のおせっかいが面白いです。

あと、それに反応するせっかちゃんも。

 

感想などは作者さんの元気の源です是非メールを!
特に続きを読みたい人はぜひ!

 

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