バトルフィールドオブチルドレン

第7話 実戦訓練 後編


「負けちゃったよ」

「残念だったなあゆ」

「あらあたしには何もないの」

「おめでと、かおりん♪」

「いっぺん死にたい?」

「すいませんでした」

「香里やったね」

「ありがと、名雪」

 

俺と名雪はそれぞれにねぎらいの言葉をかける。

負けたからかたいやきを奢ってもらえないのが残念なのかあゆが少し落ち込んだ顔をしている。

どちらの比重が大きいかというと多分……

 

「うぐぅたいやき奢ってもらえないよ」

 

やっぱりそっちだろうな。

 

「また今度奢ってやるからそう落ち込むな」

「本当?」

「俺が嘘ついたことあるか」

「あるよ、意地悪で何回も嘘つかれたもん」

 

ぐはぁ、そうだったな。

 

「まあ、これは嘘じゃないから安心しろ」

「うん信じる」

 

そうあゆと話していると突き刺さるような視線を感じた。

香里と名雪だ、俺は恐る恐る聞いてみた。

 

「どうしたんだ二人とも」

「どうもしないわよ」

「わたしもどうもしないよ」

 

絶対嘘だ目を見たら分かる。

でもここは深く突っ込まないようにしておこう。

 

「で、相沢君試合はあたしが勝ったから何か奢ってくれるわね」

「いいぞ約束だからな、あまり高い物は無理だが」

「それぐらい分かってるわよ、でも楽しみだわ」

 

急に機嫌がよくなりながら香里が言った。

 

そして少し雑談をしているときあゆが言った。

 

「それにしても香里さん強いね」

「あゆちゃんこそ予想以上の強さだったわよ。あの速さは並の人では太刀打ちできないわね」

「そりゃあ、あゆは飛翼族だからなおまけにスピードが上がる魔法も使ってるし」

 

さっき名雪にも説明したので今回は短めに説明した、まあ香里ならそれでも分かってくれるだろうと思うし。

 

「どうりでね……てなんでそれなら空を飛ばなかったの」

 

やっぱり分かってくれたな。さすがは学年主席。

 

「それは多分だと思うんだけどこのリング結界張ってるよね、だから飛ぶと結界の外にでてしまいそうだったから」

「そうか、そうよね確かにここのリングの結界は少し小さめに作られているから」

「でも何でわざわざ結界なんて張ってあるの?」

「それは一つ目は周りの安全のためね、魔法なんかが別のリングとかで練習してる人に当たると危ないでしょ。二つ目は中で練習してる人のためね、この結界は特殊な物でその中で戦闘続行不可能な怪我が起きると自動的に直してくれるというというものなの」

「自動的に回復!そんな結界誰が!?」

「秋子さんよ、この結界は秋子さんのオリジナルの魔法なの。材料に邪…ジャ…やっぱりいえないわ」

 

アレを…オレンジ色の物体をまともに口に出せるのは知らない人ぐらいだろうからな。

 

「うぐぅ気になるよ」

「あゆ俺があとで教えてやるよ」

 

実物を伴ってな(笑)

 

「なんか祐一君が良くない事考えている目をしてるよ」

「そんなことないぞ」

 

意外に鋭い、あゆのくせに。

 

「でも明日の大会ならリングも結界の範囲もこことは比べてかなり大きいし今回あゆちゃんが負けても明日はどうか分からないね」

「でも名雪、大会の結界は範囲だけではなくて強度もかなり固くなるからあたしも本気で魔法も使えるようになるわよ」

「そうだったね、けどそれならあゆちゃんにもそのことは言えると思うけど」

「そうね、けどあゆちゃんの弱点がわかったからそう簡単には負けないわよ」

「ボクの弱点?」

「そう、あゆちゃんの加速しての攻撃、いつも一直線にやってくるの。だから目さえ追いつけたら攻撃を当てることも難しくないのよ」

「そういえばそうだったよ、これから気をつけないと……」

「それでも十分Aランクには入れると思うわ」

「香里さんはどこの位なの」

「あたしはAAランクよ。で、名雪がAランクね」

「そうなんだ、じゃあ祐一君は香里さんと同じ位?」

 

しまった、やばい話になってきた。

 

「え、あはははは。ぜんぜん違うわよ相沢君はDランクよ」

「そんなはずは無いよ、だってボクに戦い方教えてくれたの祐一君だもん。一緒に旅をしていたときボク一勝も出来なかったんだよ」

「祐一が!?でもここでは同じDランクの人に5回中1回勝ったらいいくらいの成績なんだよ」

 

名雪や香里が驚く、くそー逃げ出しとけばよかった。

こういう話になればいつあの秘密がばれるか分からないのに……しかたないな。

 

「どういうこと相沢君」

「実は力を隠していたーとか」

 

俺はわざと軽くおどけた感じで言った。

 

「そんなことあるはず無いでしょ、ここにきてまともに訓練したこと無い人が」

 

むかっ、たしかにそうだがそんなに言われるとちょっと腹が立つな。

 

「そんなことあるぞ、俺が本気になったら香里だってかるく倒せるんだからな」

「言ったわね、じゃあ明日の大会トーナメントにも残らなかったらあたしの言うことなんでも一つ聞いてもらうわよ」

「ならトーナメントに残ったら俺の言うことなんでも聞いてもらうからな」

「ええ、いいわ。上等よ」

「明日覚悟しとけよ」

「相沢君こそね」

「「ふっふっふっふっふ」」

「二人が怖いよ〜」

 

そうして俺と香里の賭けの勝負が決まってしまった。

しまった勢い余ってやばい賭けをしてしまった。

これは頑張ってトーナメントに残らないとな。

そして実践訓練が終わった後、教室に帰るとき名雪がやってきて話し掛けてきた。

 

「祐一大丈夫なの、こんな賭けをして」

 

名雪が心配して言う。

 

「まあなんとかなるだろDランクでも意地があるからな」

「でも祐一のいる予選のブロックには香里がいるんだよ」

 

なに、そんなこと聞いてないぞというか何で名雪がそんなこと知ってるんだ。

 

「祐一は寝てたかもしれないけど今日の午前の授業で対戦表が配られてるんだよ」

 

そうか、しまっただから香里はあんなに自信があったのか。

 

「すまんが名雪、明日の大会のルールもうちょっと詳しく教えてくれないか」

「うんいいよ、まずはね――――」

 

そうして俺は明日の対策を練ることにした。

決戦は明日だ。

 

 

 

 

 

そのころ闘技場

そこにはみんなに忘れ去られた男がいた。

香里にきつい一言をいわれ固まっていた男北川だ。

珍しく復活するまで時間がかかったみたいでようやく意識を取り戻したようだ。

 

「あれなんで誰もいないんだ、実戦訓練は?おーい誰かー」

 

北川が自分の状態を知るのはまだ後、数分たったあとであったという。


あとがき

 

どうもマサUです。2話同時掲載になりました。

理由は6話の戦闘シーンがやっぱちょっとうまくいかなかったと思ったのでならもう1話ということになったんですが……

スランプだな〜でも何とかできたとは思います。

北川「おい作者」

何だ今回は北川かどうしたんだ。

北川「今回の俺の扱いは何だ」

ああ、そのことか。実は書いたあと読み直してみると北川がいないという事に気がついて急いで付け足したというわけさ。

北川「じゃあもし気づいてなかったら」

今回出番無かったかもしれないな。

北川「ひでぇ……なら次からの大会俺も活躍させろよな」

さあ、それはどうなるか。とりあえず君のランクがCということは決定してるから。

北川「下から二つめだな、けど実は俺には隠れた力があってとか言う話は……」

まあそれは次回以降のお楽しみという事で、それでは。(2003/6/27)

 

  

 

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