バトルフィールドオブチルドレン
第6話 実戦訓練 中編
<香里視点>
「香里がんばれー」
「あゆ負けるなよ」
あたしとあゆちゃんの声援が聞こえる中、あたしはあゆちゃんと向き合う。
そして準備が整った時相沢君がリングに上がって開始の合図をする。
「それでは試合開始!」
試合が始まる、まずあたしはあゆちゃんの実力探るため様子をみる。
あたしは普通の大きさの剣、あゆちゃんは短剣を手に持っている。
リーチはこっちの方が長い、さてどうくるかしら。
「いくよ」
少しの沈黙の後あゆちゃんが声をあげた。
そしてその直後あゆちゃんの姿が消える。
あたしは嫌な感じがして直感で右に避ける。
「くっ!」
風が通り過ぎたような感覚がしたあと左脇腹から痛みが走る。
「そんな決まらなかった」
今の一瞬で攻撃したみたい、尋常じゃないスピードね。
これは今以上に気を入れないといけない相手ではないようね。
これはトーナメントまで残るわよ、あたしの見る目は確かだったようね。
「けどまだまだ」
あゆちゃんはこっちの体勢が整わないうちに次の攻撃を仕掛けてくる。
今度は接近しての連続切りだ。
浅いといっても血が出ている脇腹の傷のせいであたしは中々反撃のチャンスをつかめない。
それに少しでも気を抜くと見失いそうだわ。
一方リングの外<祐一視点>
「祐一あのスピードってどうなっているの」
名雪が俺に質問してくる。
「それはな二つあるんだけどまず一つ目は魔法だなスピードをあげる魔法」
「でもあれってかなり難しいんじゃ」
「でもあゆは出来るんだななぜか、それ以外ならそんなに高度な魔法は使えないんだけどな」
「そうなんだ」
「で、もう一つはあゆが飛翼族だからだな、飛翼族は高速移動が出来ることと羽を持っていて空を飛べるのが特徴だから」
「え、飛翼族ってあの外部との交流がほとんど無くて謎に包まれているあの?」
「それであってると思うぞ」
「やっぱりいっしょに旅していただけあってあゆちゃんのことよく知ってるねあゆちゃん羨ましいな」
「まあな」
俺は最後の名雪の言ったことに気づかずに言った。
戻ってリングの中<あゆ視点>
「くっ!」
香里さんが唸る。
ボクは香里さんの体勢が整わないうちに勝負を決めようと休むまもなく切りかかる。
よしこのまま押し切るよ。
そう思って攻撃してるんだけど力の差があるみたいで香里さんの剣を弾くことが出来なくてほとんどの攻撃が防がれている。
どうしようと考えた末ボクは少し香里さんと間をとって加速力をつけて攻撃する事にした。
そして香里さんに向けて突撃しようとしたら香里さんが手から剣を話した。
えっ、と驚いていると香里さんは今度は後ろに倒れてボクはそのまま巴投げの応用で吹っ飛ばされた。
ボクは何とか受身をとって持ち堪える、うしろを見るとリングアウト寸前だった。
ふう、危なかったよ。
とにかくこのままだとリングアウトしてしまう可能性があるから真ん中に進まないと。
香里「何ボーっとしてるのよ、まだ試合は終わってないわよ」
しまった、目を離している間に香里さんに接近を許してしまったよ。
「うぐっ、うぐっ、うぐっ、うぐっ」
ボクに高速移動をさせないように香里さんの激しい連撃がやってくる
『あゆは速さに頼りすぎだ、そんなだと敵に接近されたら力が無いから簡単に殺られるぞ』
うぐぅ、昔祐一君に言われたとおりだよ
力が無いから剣が後ろに弾かれてそこから次の一撃を防ぐまでのタイムラグがきつい。
さっきと逆の状態になってしまったよ。
「これでっ」
キィーーン
「しまった」
ついに剣を弾き飛ばされてしまった。
「これで終わりよ」
そして香里さんが剣を振り下ろそうとしたとき、
「いまだ」
香里さんの一撃が少し大振りだったのでその隙に横に飛んで落ちていた剣を拾った。
「ふー、助かったよ」
<香里視点>
あたしとした事が力んでしまって大振りしてしまうなんて。
やっぱり脇腹の傷のせいで無意識の内に焦っているのかしら。
たぶんあゆちゃんはまた接近戦はだめだと思っただろうからあの速さで攻撃してくるだろうし少しやばいわね。
「じゃあ、またこっちから行くよ」
そしてまた一瞬消えた様に見えるけど今度はなんとか見える……右ね!
キンと剣同士がぶつかり合う。
「きゃっ」
あたしは鍔迫り合いに負けて吹っ飛ばされた。
やっぱりあの速さをどうにかしないといけないわね、力が無くてもあの加速の勢いが追加したら負けてしまう。
でも接近するのはかなり難しいしどうしようかしら。
「もう一度いくよ」
……けど直ぐにやってこない、逆に少し間をおいてわたしの周りを回っている。
少し慎重になってるわね
けどさっきより距離が狭まっているこの距離ならさっきよりも速く反応できる。
そしてあゆちゃんの気配が動いた、くるわね。
「……よしそこ!」
あたしに向かってやってくるあゆちゃんの気配を感じてその方向に腰に携帯していたダガーを2本投げつけた。
「う、うぐっ」
よしそのスピードで突っ込んでくればこの攻撃はかわせないでしょう。
と、思っていると。
「えっ……くうっっ!」
あゆちゃんは寸前で右に移動して、そのうえ右肩を少しやられた。
あれをかわせるなんて、けど今ので弱点らしきものを見つけたわ。
<あゆ視点>
「はーはー」
うぐぅ、危なかったーもう少しでやられる所だったよ。
とそういえば本当にやられてたらボクどうなってたんだろう?
どう考えても重症以上だよね、ダガーは僕の胸めがけて飛んできてたし。
まあ、今はそんなこと考えている時じゃないね。
そして香里さんの方を見る。
香里さんは右肩と左脇腹に傷を負っている、どちらかというとボクの方が有利だよね。
けどボクの方がスタミナが無い様に見えるから長期戦になると不利になるから今のうちに一気に決めにいったほうがいいね。
そう思ってボクは自分の剣にエアーエンチャントの魔法をかけた、すると剣の周りに小さい竜巻のようなものが現われる。
これでダガーぐらいなら軽くはじけるようになったよ。
「いくよ!!」
そして香里さんに突撃を仕掛ける。
「喰らいなさい」
予想どうり香里さんはダガーを投げつけてきた。
ボクはそれをよく見ながら弾き落として前を向く。
「え、しまった」
するとそこには香里さんが右手を前にだして炎の玉を作っていた。
「引っかかったわね。ダガーは囮よ喰らいなさいファイアーボール!!」
完全に気が抜けた所に迫ってくるファイアーボール、だめかわしきれない。
ボクは剣を前にして防御にまわる。
「きゃっ」
けど突撃していたスピードを落とせず少し後に吹っ飛ぶ。
そして起き上がろうとしたボクの首に香里さんの剣がかかる。
「これでチェックメイトね」
「ボクの負けだよ」
こうして香里さんとの試合はボクの負けで終わった。
うぐぅ、祐一君にたいやき奢ってもらえなくなったよ。
あとがき
どうもマサUです。初戦闘シーン終わった〜やっぱ難しかったです。
ちゃんと戦闘風景が伝わるか心配です。
香里「けどよく頑張った方なんじゃない」
今回は香里ですか、どうしたんです今日は機嫌がいいみたいですが。
香里「あたり前じゃない試合に勝ったんだから、さて相沢君に何奢ってもらおうかしら」
(祐一大変だな)
香里「しかもそのあと上手いこと相沢君を人気の無い所に誘って……(じゅるり)」
(見ない振り)それにしても今回は試合が終わってそのあとに話も入れようと思ったんだけど、予定通りには行かないな。
香里「……はっ、しまったあたしとしたことがこんな妄想を。と、そうだったことづけを預かってたんだっけ」
ことづけ?
香里「名雪からよ『今回も出番がほとんど無かったね、約束を破った人には罰が当たるから』だって」
罰って、そんなのがあるわけ無いだろってあれ雨が降ってきたみたいだな。
香里「(これってまさか)あ、あたしはそろそろ帰るわ、それじゃあ」
どうしたんだ香里の奴慌てて帰ったりして。それにしてもこの雨やたれねばねばするな。
それにだんだん色が変わってオレンジ色に……これってもしかして。
しかもこの雨のような物私の周りにしか降ってないじゃないか、しかも積もってきて…………お、溺れる。
香里「やっぱりアレだったわね、危なかったわ。それじゃ次は第7話でね」(2003/6/27)
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