バトルフィールドオブチルドレン
第4話 普通の学校風景?
「さて授業をはじめるぞ」
担任の石橋の声が聞こえる。
俺は午後の実戦訓練の為に寝ようとしていた。
「というわけで今日はこの前の歴史の続きで魔王のことについてだ。さて、誰かに教科書を読んでもらおうかな……よし相沢読め」
寝ようとしているのがばれて当てられてしまった。
「魔王というのは魔族を統べる王の事である。その力は強力で我々の世界に現われると動物がモンスター化したり、
そのモンスターたちが凶暴化するという事例も起きている。なお魔王はここ数百年の内に数回こちらに現われているが、
その右腕がどれも既に絶滅したといわれている人狼(ライカンスロープ)の腕をしているところから代々受け継がれていると思われている。
なお余談だが魔王を退治した勇者は伝説の勇者と讃えられている。そしてその伝説の勇者はここ、スノウアイランド出身が一番多い」
「よし、もういいぞ」
「ふう、終わった」
そしてまた寝に付こうとする。
一度魔界に行ったことのある俺だから今あった魔王の話に違う部分が結構あるなということを思いながら………
「祐一お昼だよ」
「ん……もう昼か……って、既に名雪が起きている。これはもう直ぐ雹が降るな」
「いやいやそんなことはないぞ」
「……なんか納得いかないけど。で、祐一今日のお昼ご飯はどうする」
そうかもう昼飯の時間だよな、どうしようかな。
そうだ、あゆは転入してきたばっかりでこの学校の事をあまり知らないはずだから道案内もかねて食堂へいくか。
「食堂へ行くか。あゆもいっしょに行くぞ学校案内も兼ねるからな」
「うん行くよ」
「それじゃあたしも一緒に行っていいかしら」
「美坂が行くならオレも行くぞ」
「わたしももちろん行くよ」
で結局北川が命名した《美坂チーム》+α(あゆ)で昼飯を食べに行くことになった。
「――――でこっちにいくと闘技場だ」
俺は食堂へ行く道から説明できる施設を説明しながら食堂へ向かっていった。
そして階段に差し掛かったとき下から見知った顔が2つ階段を昇ってくるのを見つけた。
向こうも気づいたようでこっちに向かって近づいてきた。
倉田佐祐理さんと川澄舞だ二人とも三年生である。
「祐一さんどうしたんですか皆さんおそろいで、一人佐祐理の知らない人もいますけど……」
「……祐一も一緒にご飯食べる?」
「こいつは今日転入してきた月宮あゆで昔一緒に少しの間だが旅をしてきた仲だ。
で今日はあゆに食堂の場所を教えないといけないから一緒に食べれないんだ、ごめんな」
佐祐理さんと舞はいつも屋上に上がる階段の踊り場でご飯を食べているのだ。
「それじゃ仕方ありませんねまた今度一緒に食べてくださいね皆さんも一緒で」
「いいですよそれじゃまた今度」
そう言って舞や佐祐理さんと別れた。
「あの二人きれいな人だね」
そういやあゆにあの二人の事を紹介するのを忘れたな、まあ明日すればいいか。
でも一応名前だけは教えといたほうが良いな。
「あゆ、さっきの二人で黒い髪の毛のほうが川澄舞でもう一人の方が倉田佐祐理さんだ。二人とも俺の友達だから覚えとけよ」
「うん、それにしても祐一君女の子の友達の方が多いね」
ぐはぁ、人が気にしている事を。
「そ、そうだな、なんでだろうな」
俺は知らない振りをして言った。
本当の所は俺の友達関係が女子、特に学内でも可愛いや綺麗と言われているのが多い。
しかもそれが男友達を作る前に友達になってしまったから男子の方か妬まれている節がある。
だから俺の男友達で一応親友と呼べるのは今一緒にいる北川だけだったりする。
けどそんなこと言えないし、というかあゆの登場のせいでより被害が増しそうなんかもっと言えないしな。
「そんなことより早く行くぞ、座れる席なくなるかもしれないからな」
「そうね」
香里が相槌をうってくれてまた歩き出した。
「ここが食堂だ。」
「結構大きいね」
あゆがきょろきょろあたりを見回して言う。
確かにここの食堂は大きい、まあお城の食堂を比べたら小さいけど……って比べるもんでもないけど。
このアカデミーは生徒だけでもかるく1千人を超えるのである程度の大きさは必要なのだ。
「それじゃ、俺が買ってくるから香里は何がいい?名雪はAランチだろ」
「うん」
「あたしはCランチにするわ」
「なら北川、買いに行くか。あゆもメニュー知らないだろうからいっしょに行くぞ」
「そうだな」
「何があるのか楽しみだよ」
そして俺たちは昼ご飯を買いに行った。
「で、あゆちゃんが結局買ったのは」
「期間限定たいやきセットって訳ね」
そうあゆが買ったのはなぜか大人気のため期間延長されたたいやきセットだった。
俺とあゆの出会いを知っている名雪と香里は苦笑しながらいった。
「うぐぅ、だって美味しそうだったんだもん」
「誰も悪いとはいってないから大丈夫だ。俺もあゆはやっぱりあゆだったってことが分かってよかったしな」
「それってどういう意味?」
「あゆは気にしなくていいことだ」
俺は笑いながら言った。
「それにしても食堂で食べるのは久しぶりね」
「そうだな、今まで春休みだったわけだし」
香里達が世間話をはじめた頃俺はふと気になることを思った。
「おいあゆ、どうやって転入なんかしたんだ。ここにはいるには誰か保護者の了解がいるだろ」
「そう言われてみればそうね。相沢君の話だとあゆちゃんの家は別の大陸にあるみたいだし」
「それはね秋子さんって言う人がね入れてくれたの」
「「「あ、秋子さん!?」」」
「お母さんが入れてくれたの?」
「え、名雪さんのお母さんが秋子さんなの!」
「そうだよ」
「じゃあ名雪さんってお姫様なんだすごいね、でもなんで学校になんかきてるの」
「それはお母さんがね『少しは外の事も知っていないとだめよ』って言われたからなの。だから卒業したら旅にもでるんだよ」
「へ〜、そうなんだ」
名雪とあゆがほのぼのと話をしている。
俺はなんとか固まった状態から抜け出して聞いた。
まだ香里と北川は固まったままだ。
「あゆ、どこで秋子さんと顔見知りになったんだ」
いくら庶民的だって仮にもこの国の女王様なんだぞ。
「え、えっと、それはねこの国にきてお腹が減って食べ物を買おうとしたときにお財布がないのに気がついて……」
「また食い逃げしたのか」
「今回はちゃんと払うつもりだったんだよ」
なら払うつもりがなかったとこともあるんだな。
「で逃げている途中で何かにぶつかって何かなって見てみたら、それが秋子さんの乗っていた馬車だったんだよ」
秋子さんがここ最近で外出したのは昨日だな、ということは秋子さん今日あゆがくるの知っていたんだよな。
俺に話さなかったってことは驚かすつもりだったんだろう、あゆの事は秋子さんに話していたし。
「そうしたら秋子さんが出てきて僕の名前を聞いたら捕まる代わりに学校に入りなさいって」
「まあ、大体のことは分かった」
ようやく大まかの事が分かってきたら横で固まりから復活した香里が驚いたような顔をした。
「どうした香里」
「時間が、午後の実戦訓練まで後5分しかないわよ」
「え、嘘!」
「多分、ゆっくり説明しながらここまで歩いてきて、ここでもかなり話し込んでいたからだろ」
「急いで食べなきゃ」
「祐一君、実戦訓練ってどんなことするの」
「後で教えるからあゆ、お前も早く食べろ、遅刻だー」
そう言って飯を流し込む俺たちだった。
あとがき
ふう、ようやくできました第4話。
祐一「おい、作者よ」
なんですか祐一君。
祐一「この話一応ファンタジーなんだよな」
そうですが。
祐一「なのにまだ戦闘シーンが無いってのはどういうことなんだ」
ぎくっ、そ、それにはいろいろと事情がありまして。
祐一「どういう事情なんだ」
それは……1話の話を短くしてしまったのと実は午前にしていた実践訓練を午後に回してしまったためなんです。
祐一「簡単に言うとお前の話の組み立てが悪かったんだな」
そ、そうともいえるかも。
祐一「で、戦闘シーンはいつ頃入りそうなんだ?」
予定では次の次、第6話にはいります……が即行終わってしまうかも……
祐一「でもそれよりもまずは次だな」
そうです。それでは第5話で。(2003/6/6)
今回は魔王の説明が変わってます。(2003/9/20)
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