バトルフィールドオブチルドレン
第2話 登校
「は〜、結局走らなきゃならないのか」
「でもいつもよりはゆっくり走ってるよ」
「当たり前だ、お前がもっと早く飯を食べてれば走らなくてもよかったんだからな」
今、俺と名雪は学校に向かって走っている。
いつもは名雪のせいで全力疾走しているが今日は少し余裕がある。
それと俺たちが通ってる学校ってのはカノンアカデミーという所で勇者を育成する学校だ。
一応前にも説明したとおり、勇者は自分から名乗り出せば直ぐになれるものだ。
じゃあなんで育成する学校があるのかというと、この大陸では他の大陸とは少し違ってランク制度というのがあるからだ。
ランク制度とは、そんなに実力が無いのに、無理な依頼などを受けて怪我や死なないようにするために実力をランク付けするという制度だ。
そのため、ある程度の実力を持っていないとこの大陸で勇者はやっていられないのだ。
だから最低、そのある程度まで、そしてそれ以上を目指して実力を身に付けさせようということで学校がある。
で、今俺たちはその学校の二年生だ。
「っと、そういえば名雪今日の授業ってなんだったっけ」
「今日は午前が通常授業で午後が実践訓練だよ」
ほっ、こういう走っているときに限って午前の授業が実践訓練だったりするのがお約束なんだが大丈夫だったみたいだな。
そして学校に近づいていくと見たことのあるうしろ姿が2つ見えてきた。
「香里ー、栞ちゃーん」
名雪がその二人、香里と栞を呼んで俺たちはそばに駆け寄った。
ちなみに香里と栞は姉妹である。苗字は美坂と言って香里は俺たちと一緒の二年生で栞は一年生だ。
「えぅ〜名雪さんに祐一さんおはようございます〜」
「おはよう!」
そして近づいてみると栞は目の下に涙をためていて香里は顔が少し赤かった。
「どうしたんだ二人とも」
俺は気になったので聞いてみた。
「えぅ〜祐一さん聞いてください、お姉ちゃんが私の至福のひと時を奪おうとしてくるんです」
「何が至福のひと時よ、あなたはそれでよくても家のほうは大変迷惑してるんだから」
どうやらけんかをしているようだ、原因はなんとなく分かるような気はするけど……
それでも一応聞いてみる。
「何があったんだ」
「実はお姉ちゃんが、私が楽しみにしていた朝食のあとのアイスタイムを禁止したんです」
「仕方ないでしょ!あなたのアイス代だけでいくらかかってると思っているの」
やっぱり……そんなことだろうと思った。
栞は無類のアイス好きなのだ(特にバニラ)。どれほど好きかというとアイスだけがあれば一週間は生活できると言い張るぐらいだ。
「で、栞のバニラ代は月に幾らぐらいかかってるんだ?」
「それはね、――円ぐらいよ」
「は……それは本当の話か?いくらなんでも高すぎるだろ」
「本当の話よ。この子最近日増しに舌が肥えてきてね、今では最高級品のものしか食べないの」
「栞……少しはアイス控えた方がいいぞ」
「そ、そんな……祐一さんまでお姉ちゃんの味方ですか、酷いです〜〜〜」
あ、走っていってしまった。
っとそういえば何か忘れているような……
「そうだ名雪、今時間はどうなっている」
「え、わっもう時間ギリギリだよ」
「もうそんな時間なの、急ぎましょう」
結局いつもと一緒で走って学校に行かないと行けなくなってしまった。
「ふう、到着だな」
「今日はちょっと焦ったよー」
何とか2分前に教室にたどり着いた、なんか妙な達成感があるな。
「よう相沢、今日はいつにも増してギリギリだな」
そう言って話し掛けてきたのは俺の親友北川潤だ。
「ああ、来る途中で香里達に出会って少し喋りすぎてな」
「はぁ、はぁ、あんた達どういう脚力してるのよ」
ちょっと遅れて香里が着いたみたいだ。
「美坂おはよう、大変だったな今日は」
「まあね、でも仕方ないわ、私も気がつかなかったんだから」
「相沢、今日転入生が来るって知ってるか」
「いや知らないぞ」
俺は自分の席(一番窓側の後ろから2番目)の席に座りながら答えた。
追加で言うと名雪は俺の左隣、香里は名雪の後ろで、北川は俺の後ろだ。
「はぁ……やっぱりな、昨日からクラスの男子の中でその話でもちきりだってのに」
昨日って始業式じゃ……どっからそんな話が入ってくるんだ?
「で、男子の中でその話がもちきりになるってことは、転入生は女子か」
「その通りだマイブラザー」
だれがマイブラザーだよ。
「でも、どうせ入ってくるなら可愛い娘が良いな」
ぴしっ
ん?どうしたんだいきなりこの教室にみなぎる殺気は。
特に名雪や香里の方から伝わってくるような気がするんだが。
「ん?何だこの殺気は、まあいいか。ほらほら席に着け授業はじめるぞ」
そうこうしているうちに担任の石橋が来たようだ。
それにしても長い2分間だったような気がするな。
「先生、今日転入生がくるって聞いたんですが」
クラスメートの斎藤が言った。
「お、そうだそうだ、忘れる所だった」
忘れるなよ、そんな大事なこと。
「それじゃ、紹介するぞ。入ってきなさい」
どんな娘かな。やっぱり少し楽しみだな。
そしてドアが開いた……
あとがき
どうもマサUです。第2話出来ました。
祐一「今回は早くできたな。けど短くないか」
だってその方が書きやすいんだもん。
祐一「だもん、じゃない当たり前だろ短いんだから。で、これからどうするんだ」
今のところはこのペースで行こうかなと思っています、じきに長くしていこうかなと。
祐一「その代わり更新ペースは上げるんだろうな」
それは頑張ります。
祐一「じゃあ次は3話だな」
そうです、それでは第3話で。(2003/5/11)
手直しはアカデミーの説明が少し追加されてます。(2003/9/20)
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